2011年6月18日土曜日13時からの「KOBEスクランブル交差点」のゲストは、早尾 貴紀さん
3月11日太平洋沖沖東北地方地震がおこり、その影響で起こった大津波。
今回の地震はその自然災害だけでなく、原子力発電所事故という人災を伴いました。この事故直後、多くの人が地震被害からの避難ではなく、「放射能から子どもを守る!」という思いで、それぞれの「大切な故郷」から脱出しました。いわゆる自主避難です。
その自主避難の困難さ、この3ヶ月いろんなしがらみの中で直面してきたいろんな思いを、一人の父として、東北人として、避難者経験者として語っていただきます。
これは決して他人事ではなく、「電気で快適な生活を送ってきた人」は、すべて自分のこととしてお聞きいただきたいと思います。
早尾さんからのメッセージをご紹介します。
現在進行形の原発震災のまださなか。
まだうまく言葉にできないのではないか、まだ振り返れないのではないか。
いや、振り返るな、振り返るな、そう自分に言い聞かせて、この3ヶ月を突っ走ってきました。
立ち止まってしまったら、そのまま抑えてきた自分の感情に呑み込まれてしまうのではないかと恐れました。
でも、自分の武器は結局は言葉しかありません。
手足も動かしています。それが届く範囲はとても小さい。
もう少し先へ。やはり言葉を発するしかない。
正直、話すのも書くのも苦痛をともない、また言葉を発した後はその不十分さ・不本意さ必ず悔恨をともなうのですが、その程度の苦痛は引き受けないわけにはいきません。
言葉にもできないほどの苦痛を背負った人びと、背負うことすらできずに消え去った人びとが無数にいるのですから。