第49話 事業の払い下げ 2017年6月17日放送
川崎正蔵さんが1881年に兵庫造船所を政府から払い下げを受けたところから、神戸の川崎重工はスタートしています。加賀藩が小蒸気船をつくっていたのですが、武士の経営がうまくゆかず、民間に払い下げたのです。西の神戸では、1897年に岩崎弥太郎さんが和田岬や今出在家の官有地の払い下げをうけ、三菱の神戸造船所を作っています。造船といった重工業分野では、技術的に遅れをとっていた日本では、「払い下げ」という手段が有効でした。ワダカンがフランスで事務機器の工場をつくったとき、ボージュ県(仏)は道路を新設することで私企業をサポートしてくれました。ときには行政の支援も必要です。
49話 神戸港に停泊中の「こうべエキスプレス」