「音源ライブラリ「長田今昔物語」」カテゴリーアーカイブ

「長田今昔ものがたり」第85話

第85話 高取山とお稲荷さん(閑話休題) 2018年2月24日放送

高取山は標高328m、六甲山系の独立峰で須磨区と長田区にまたがり、格好のハイキングコースになっています。山頂からは神戸空港が一望でき、目の前に新長田も広がり、夜景もすばらしいです。この「お山」には、たくさんの神社が集合しています。茶店もにぎやかですが、そこで飲むお神酒も格別の味でしょう。初午(2月11日)には須磨側から登り、荒熊神社におまいりします。井上さんのおばあさんの時代、「のせん行(ぎょう)」といって、セイロに「稲荷ずし」を入れて、何組もの人がお参りしたそうです。須磨では3大稲荷(須磨寺の出世稲荷・関守稲荷・高吉大善神稲荷)があって、今も大切にされています。


85話 高吉大善神(たかつきだいぜんじん)稲荷神社
初午祭は毎年3月上旬に行われ、西須磨名門林良兵衛家「個人」が代々祀る。


須磨寺出生稲荷社(新しく建て替えられた)
平清盛の福原遷都の折、湊川畔に奉安したる出生稲荷。平家ゆかりの須磨寺へ遍座とある。


関守稲荷神社
平安時代後期この辺りに関所があった。

「長田今昔ものがたり」第84話

第84話 たかとり教会に集う人々 2018年2月17日放送

たかとり教会は1927年の創設で、もう90年。ワダカンは震災の年からFMわぃわぃの放送スタッフでお世話になっており、23年。ご縁とは不思議なものである。23年続けている「震災定点観測」にも「海運町」の撮影スポットがある。野田北部とその近隣の住民の方とも知り合いになっている。いつも掃除の川福さん、画家でもある高木さん、ちょっとバーのバーテン大見さん、楽しい時間を過ごさせもらった。コミュニティーのパワーがすばらしい地域であり、勉強もさせてもらった。毎年1月17日に「震災の追悼行事」を新長田駅前広場でつづけているが、発祥は「たかとり」であり、感謝の言葉をささげたい。


84話 たかとり教会のある海運町(2018年1月8日定点撮影)

「長田今昔ものがたり」第83話

第83話 長田と須磨の石仏文化財 2018年2月10日放送

井上さんによれば、石仏・石塔・石造物などの石造美術や、信仰の対象となる仏像などは、分類され、研究対象にもなっている。長田神社にある石塔(灯篭)は鎌倉時代のものらしい。西神戸に多かったお地蔵さんも、震災のせいもあって少なくなり、行き場のない地蔵さんは須磨寺に預けられたりしている。地蔵盆を続けたい方もいて、「レンタル地蔵」なんかも聞いたりする。五輪の塔は長田には少ないが、なぜか須磨に多い。1295年の石灯籠が赤灯台の西の「坂本邸」にあったのだが、そこはレストランになってしまった。須磨寺では保存がよく、一三重の石の塔をいまも見ることができる。文化財として大切にしてゆきたいものである。


83話 石仏文化財、須磨寺十三重塔(兵庫県指定重要文化財)
鎌倉時代の石造の特徴をよく表し、塔の最上部の小さな突起の水煙は珍しい。鎌倉後期嘉暦2年(1327)礎石に「嘉暦二丁卯七月□日」の刻銘があり、下部には薬研彫の梵字が施されている。この塔は藤田伝三郎(男爵)が奈良方面より須磨の別荘に安置されていた。そして川﨑家に渡り、須磨寺に寄進された。


長田神社、石燈籠(鎌倉時代、兵庫県指定重要文化財)
近年・問い合わせなど全くないと言う。

「長田今昔ものがたり」第82話

第82話 真野のもちつき 2018年2月3日放送

ワダカンの子どものころは、歳末には「ちんつき」というもちつきの一団がやってきて、自分の家で、近所の助けも得て、お正月のおもちをついたものです。わが町(尻池北部)では、「寒もちつき大会」が小中高生や元気な若者が来てくれる行事に育っています。250名もの近隣の方の顔合わせになっています。2号線をはさんでお隣の真野地区では、300㎏をついた時期もあり、毎年、立命大の学生20名ほどが泊りがけで参加する一大行事となっています。防災訓練も大切ですが、人が寄り合い、火を使い、おなじ餅を食べ、後片付けをする「もちつき」は、コミュニティー強化の絶好の行事となっています。


82話 真野地区のもちつき大会

「長田今昔ものがたり」第81話

第81話 長田の鬼さん 2018年1月27日放送

71話から10回ほどは震災関連のお話をしてきました。平成30年もお正月を越え、震災追悼行事も行い、放送は節分、立春にさしかかっています。しばらくは季節性も織り込みながら、長田とお隣の須磨・兵庫のお話をします。ワダカンは子どものころから、長田神社で行われる「古式追儺式」にあこがれていました。「ウー、ドン」と、ほら貝と太鼓の音に合わせて、7人の鬼が邪気を追い払ってくれるのです。「鬼」は当時、長田村の人しかなれないと聞き、残念な思いをしたものです。しかし、五穀豊穣、天下泰平は「誰もが思う願い」です。春を待ちながら、「鬼さん」の火の粉をかぶって、元気に過ごしましょう。


81話 鬼はまもなく登場(長田神社)

「長田今昔ものがたり」第80話

第80話 須磨浦海岸・海の底まで変える(閑話休題) 2018年1月20日放送

昨今の須磨海岸も変わりました。沖合いの「遠浅(とうあさ)」を作る工事が終わったのです。神戸市が昭和52年(1977年)に始めた海岸整備事業、震災で中断してたものが再開され、昨年完成しました。防潮堤を含み100mくらいの広さで、波うちぎわから30~50mは深く、その先は浅く、おとなの胸の高さくらいで、泳ぎが楽しめます。工事で海の底まで変わりました。近くには、わずかですが漁船の「船だまり」があったり、のり工場があったりで、海岸にはヤシの木まであって、ヨソの国に来たみたいです。夏の海水浴が楽しみです。普段の日でもカラー道路を目印に海岸を散歩ください。


80話 須磨の浦、遠浅を作るために砂を注入する工事、2017年5月頃終了