KOBEながたスクランブル8月16日は兵庫県聴覚障害者の方々からの発信


耳障ネット

8月16日土曜日12時からの「KOBEながたスクランブル」13時からのゲストコーナーには聴覚障害者の方々をお招きして色んなお話を聞かせていただきます。
写真左から社団法人兵庫県聴覚障害者協会事務局長【嶋本恭規さん】社団法人兵庫県聴覚障害者協会兵庫県立聴覚障害者情報センター所長【嘉田眞典さん】奥ひょうご聴障ネット【野間ひとみ】兵庫県県会議員【加田裕之さん】ひょうご聴障ネット事務局長&通訳【森井秀文さん】ひょうご聴障ネット事務局&通訳【宇野はるこさん】
ひょうご聴障ネット森井さんが嘉田さんと嶋本さん自身の読み取り通訳、同じく宇野さんがYY金千秋の話しを
お二人に手話通訳で行われました。
この番組は、FMYYスタッフが聞いて、要約筆記で[:下:]続きにテキストで書き込んでくれました。


FMわいわい8月16日放送 ~神戸スクランブル交差点内~
本日のゲスト
兵庫県立聴覚障害者情報センター所長 嘉田 眞典さん
社団法人兵庫県聴覚障害者協会事務局長 嶋本 恭規さん
ひょうご聴障ネット事務局長 森井 秀文さん
ひょうご聴障ネット 宇野 はるこさん
ひょうご聴障ネット 野間ひとみさん
県会議員  加田 弘之さん
司会進行:金 千秋

~各団体の説明~
兵庫県立聴覚障害者情報センターは兵庫県から委託を受けて県内に住んでいる聴覚障害者に対してコミュニケーション支援。
センターは兵庫県や国からの補助金などで運営。国の身体者障害者福祉法の中に聴覚障害者への情報提供する施設を
各県で一つつくらなければならないという法律があり、兵庫県や神戸市内にある聴覚障害者の団体から要望を聞き話し合った上で、
平成17年にオープンした。法律に基いて作られた施設。兵庫県は聴覚障害者の要望を聞いた上で、国の基準よりも高いレベルの
事業展開をしている。(社)兵庫県聴覚障害者協会は聴覚障害者の福祉の充実を目指して活動している団体、
指定管理者として社団がセンター事業を受けている。
ひょうご聴障ネットは、聴障団体支援のための活動に取り組んでいる団体。協会・情報センターとお互い連携をとって活動している。
今回は、「手話を見て読み取り音声にする」「音を聞き取り手話に訳す」通訳として参加。
県内に聴覚障害者向上の施設の経済的人材的支援を行っているネットワーク組織として、労働組合や学校関係者、ボランティアの方など色んな人が参加活動。

~情報センターとFMわいわいとネットワークができたきっかけ~
県の財政が厳しくなり、昨年11月頃に聴覚障害者支援事業を30%削減になるかもしれないという話があり、
2月に正式に県から通達、とてもショックを受けた。目や耳に障害がある人が社会事業に参加するために必要な派遣通訳ガイド事業を廃止、
難聴者で手話ができない人の為の要約筆記事業の廃止、運営費の削減
などが県から提示。
県内の障害者は各事業が廃止になれば生活していく上で困るので情報センターに相談を持ち込まれるようになった。
協会として県に行くけれど、話を聞いてはくれず決めたものは進めていくという態度。
まずは県会議員の人に話を聞いてもらうことを思いつき、しかしどうしたら話を聞いてもらうことができるのかわからなかった。
そこでFMわいわいにひょうご聴障ネットの野間さんが金さんに話をもちかけ、県会議員である加田さんを紹介してもらった。
わらもつかむ思いで頼った。
協会も指定管理者として予算カットは困ると訴えた。聴覚障害者が社会参加するためにはセンター事業の継続が必要。
聴覚障害者である前に一般市民として情報を得ることができないことにとてもショックを受けた。
県の福祉に相談をしても我慢してくれとしか対応してもらえず。
情報センターがあることがとても重要で聴覚障害者の活動の認識ができる場所があるおかげで、
手話を知らない聴覚障害者がセンターの存在を知り、活動に賛同してくれる人が増えていっている。
県内にヘレンケラーのような聴覚視覚障害者でセンターに関わっている人が24名いるが、
県内に5~600人はいると想像することができる。
全員が社会参加しているかどうかはまだ把握していないが、全員が社会参加できるように勧めることが今後の課題。
また健常者でも高齢になるにつれて、聴覚に障害を持つ人たちが増えてセンターに相談しにくることが増えてきている。
その相談しやすいようにしていくのも今後の課題。そんな時の経費削減の提示であった。

県としても国としても財政は苦しく厳しい。
色んな事業の予算・職員の給料を少しずつカットして経営努力をしている。
しかしそのカットした分を少しでも市民の生活に重要な事業に再配分・補てんしないと弱い立場のものの生活が成り立たない。
自治体は企業ではない、自治体はそこに住んでいる人を守る義務がある。
聴覚障害者団体と県との板ばさみになっている障害福祉の担当者も苦しい立場にいる。
決まっている枠の中で担当者が動き回ることができるような知恵と工夫が必要。

単に県や団体に訴えるだけではなにも変わない。
政治家の中でも外向きのパフォーマンス、知事や担当者に苦言だけする人が多くいる。
こうしたらいい、ああしたらいいと言うだけでは何も前に進まない。
だから広く県民の方達にも現状を訴えることが必要だと実感。
聴覚障害者への福祉を後退しないように、県民のみなさんにご協力ご理解をしてもらえる機会をつくった。
このように広報したおかげで、社会参加を促進する為の要望書の署名が短期間で5万近く集まった。
県民の力が強くなり世論が県を動かしているそう実感する出来事だった。
その5万近く集まった署名を県議会に提出し、全会派の方に承認してもらい採択してもらった。
今話題の「蟹工船」にでてくるような孤立する「声が出せない」「言いたいことが言えない」社会ではなく
自分達が運動すれば、声を出せば社会に「声が届く」世の中になった。
数十年前に比べて福祉環境は改善されたとは言うものの、まだまだ認識不足や社会参加するのに不十分な部分が多いので、
県民に理解と協力を求め、県を動かしていくことが必要になってきている。

~街で聴覚障害者に出会った時には~
聴覚障害者にとっての一番の危険は、情報が入ってこないこと。
例えば電車の放送が聞こえない、街の中に溢れている情報が入ってこない、災害が起こってもどういう状況で避難に関する情報もわからない。
健常者は情報を聞きながら行動をすることができるが、一人ぼっちになってしまう恐れがある。
聞こえないことは相手とのコミュニケーションに大きな障害がある。
音声言語(健常者)に合わすことはどんなに頑張っても聴覚障害者にとって難しいこと。
聞こえる人が例えば「口を大きくあけて話をする」、「筆談、手話で会話」をして聴覚障害者に合わせてもらえれば心強い。
社会参加するにはどうしてもコミュニケーションが必要。手話が登場する映画などで少し身近になってきている部分があるので、
少しでも簡単な手話を覚えてもらえたら、うれしい。せっかく覚えたのに実際に使い方がわからない人や聴覚障害者に対する接し方がわからない人が多く、手話で話しかけても逃げる人もいるのが現状。こういう社会を変えていく為にも、もっと理解ご協力が必要。

携帯メールは聴覚障害者の世界でとても役に立つ道具の一つ。聾唖者の世界も広がった。
しかし、警察・病院へ健常者が電話連絡するようなことをメールですることはまだできていない。
また、情報を求めても政党が話している内容に対して字幕や手話通訳がなく正しい情報を知ることができないことがくやしい。

行政に携わる人は今以上に聴覚障害者の現状を知り、どうすればみんなが住み良い場所になるかの政策を考え、
事業を展開していく必要がある。県議会の人たちも現場に足を運び、県だけでなく健常者に伝えていく必要もある。
今回の放送に至るまで、人の輪・縁によって実現したもの。
兵庫県や神戸市が推進しているユバーサル社会に関して、いずれはみんなが関わってくる問題なので、自分には関係ないといって過ごすのでなく、
お互いが尊重して助け合う社会を作っていくことが必要になっている。

手話に関して、手話サークルに参加するとか市・区役所または聴覚障害者情報センターに問い合わせをすれば
手話の講習会に関する情報を得ることができる。一度問い合わせしてみてほしい。

最後に聴覚障害者の方が困っている姿を見かけた時は、手話で話しかけて!
もし手話を使うことができないなら紙とペン・携帯メールを使って文字を書いて話しかけてください!