2月4日土曜日12時からの「KOBEながたスクランブル」のゲストコーナーに兵庫県立ピッコロ劇団第42回公演「劇場版日本三文オペラ」のお知らせに、劇団員孫高宏さんと広報の古川知可子さんが出演してくださいました。
ピッコッロシアター一押しの舞台です!!ここに出てくる昭和30年代のすさまじい「食文化」の世界は、初めてこの文章に触れたものにとっては、衝撃の連続だと思います。それほど「生きる」ということを実体験する作品だと思います。
その「熱さ」を体現するため稽古は、白熱しています。
今回はオーデション形式で出演者が決められ、関西一円の役者たちの熱い思いが凝縮した舞台になろうとしています。
開高健の著作「日本三文オペラ」は、新世界界隈を放浪していた主人公のフクスケが、女にスカウトされ、仕事を紹介されるところから始まる。
その仕事とは、大阪の旧陸軍工廠に転がる大砲や戦車、鉄骨の残骸をかっぱらう仕事だった。
通称「アパッチ族」と呼ばれる泥棒集団の仲間になったフクスケは、彼らの秩序整然とした組織力や、各自の個性を活かし切った仕事 ぶりを目の当たりにする。
警察の網の目をかいくぐるべく、アパッチ族はあらゆる手練手管を用いるが、同じアパッチ族の間でも相手を出し抜き、生きのびるための狡猾な駆け引きが繰り広げられていた。やがて警察の取り締まりが厳しくなり、アパッチ族の秩序は乱れ、彼らはそれぞれの新天地を目指して離散す る・・・。「日本三文オペラ」は作者開高建が、アパッチ族という実在した窃盗集団を題材に、この奇妙な集団に生きる人間達をエネルギッシュに描いた作品で ある。
「日本三文オペラ」の舞台は、新世界、ジャンジャン町、京橋駅付近など、すべて大阪の下町。
上品さとはおよそかけ離れた場所での、人間の逞しい営みが描かれる中で、登場する食べ物はもっぱら「モツ」(「モツ」は臓物の略で、ホルモン焼のこと)。
「モツ」は物語の冒頭、新世界のモツ屋で、フクスケが女にモツ丼を振舞われる場面に、安価で精力のつきそうな食べ物として登場。
また、フクスケがアパッチ族の仲間入りをした夜の宴会で、アパッチ族が食するのは、牛一頭分のホルモン焼。
アパッチ族の過酷な肉体労働に耐え得る体力を蓄えるためであった。
だが、これはどちらかというと贅沢な食材で、貧窮しているアパッチ部落では、牛の胃袋のことを「雑巾」と呼ぶ。
それは腹に詰め込むだけの「モ ツ」なのだ。その食感はというと、フクスケ曰く、「あかんな。タイヤかんでるみたいやな。よっぽど地獄腹やないと食えんで」。
作中では、モツのほかにも、腹ごしらえの場面で出てくるドブロクや、アパッチ族同士の秩序を取り戻そうと会議を開く場面で出てくるうどん屋など、
大阪の下町らしい食べ物が描かれている。