南の風~沖縄編 7月放送


(この写真は1995年の震災直後の長田のまち)

★奄美がたり(1)

映画「寅さん」の最後の作品に登場した奄美・加計呂麻島諸屯集落にある民家に宿泊できるようになりました。この映画は、1995年の制作。そうです、震災直後の神戸・長田にもロケ隊がやってきたあの作品です。映画の一部となったことで神戸・長田にも縁深い作品ですね。宿泊について詳しくは以下のサイトをご覧になってください。
http://colocal.jp/topics/lifestyle/renovation/20170519_97125.html
宿泊予約などについての問い合わは。
電話:0997-63-2117(奄美設計集団内)※平日9:00~18:00
メール:amami@den-paku.com

★奄美がたり(2)

今年の「奄美民謡大賞」の「大賞」に輝いたのは、平田まりなさん。カサン唄を代表するウタシャ・松山美枝子さんのお孫さんです。そこで番組では、わたしが奄美で録音してきた秘蔵の松山美枝子さんと福山幸司さんとの絶妙のコンビによるシマウタを紹介しました。この「奄美民謡大賞」は奄美における影響力のある民謡大会のひとつで、この大会で「大賞」に輝くと、奄美でウタシャとして広く認められ、かつ受賞したウタシャのひとも、「大賞」の栄誉を背負い、シマウタを歌い続けることで、奄美の歌謡文化を広め深化させてゆく責務を追うのです。ひとつの民謡大会が、その該当する地域に大きな文化的影響力を与えるという奄美ならではの事象なのです。(註/ただ、この民謡大会は奄美群島のなかでも、沖永良部島、与論島はシマウタの様相が異なるので、対象になっていません。沖永良部島は最近独自の民謡コンクールを開催しています)
平成23年度までの「奄美民謡大賞」の「大賞」受賞者は以下のサイトに掲載しています。
http://www.synapse.ne.jp/hatashin/simauta/amamiminyoutaisyou/minyoutaishou.html

★奄美がたり(3)

奄美で発行されている日刊紙のひとつ南海日日新聞に掲載された奄美の子どもたちによる環境標語(おおよそは五七五で作られている)をいくつか紹介しました。大半は標語らしいまとまったものですが、なかには枠に入り切らない発想の作品もあるのです。子どもたちの感性って自在ですね。奄美は自然が豊かで、この群島しかない貴重な動植物も多く、こどもたちもその希少さひとつ作品を紹介しましょう。
〈かわもうみもたいせつにしてむしもたいせつにしよう〉
川、海を大切にするという表現は常套なのですが、最後に虫を取り上げているところに注目しました。本土の民俗で「虫送り」という行事があります。この民俗行事が対象とする「虫」は農作物に被害を与える害虫なのですが、この標語の「虫」は「虫浄土」をイメージします。つまり、虫もまた川、海と同位相で、敬愛すべき対象とみなしている心もようが見えてきます。きっとこの標語をつくったのは心優しい子どもなのでしょうね。

★奄美がたり(4)

「エネルギーの地産地消」を考える、を語りました。関電、九電の管内では現在原発が稼働していますが、奄美群島の電気は原発による発電とはいっさい関係がありません(かつてすべての原発が稼働している時も関係なかった)。群島内は、ディーゼル発電によって需給をまかなっているのですが、最近群島内で自然再生エネルギー(主に太陽光発電)による発電量が多くなり、島嶼内における「エネルギーの地産地消」化が進んでいます(わたしは全国各地でこの「エネルギーの地産地消」地域が広がっていけばいいと思っているのです)。しかし最近では自然再生エネルギーの発電量が増えて、その発電量をおさえてほしいと九電から要望されています。これは主に技術的な面からの要請です。近い将来、奄美における「エネルギーの地産地消」が進捗するために(蓄電装置など)いくつかの課題はあるものの、注目してゆきたいテーマです。