奄美専門チャンネル【奄美にとって明治150年を問う】シリーズ第1回


2018年7月の放送についてをお知らせします。今月から〈奄美にとって明治150年を問う〉シリーズが始まりました。1回目のゲストは、中井和久・神戸奄美会元会長です。テーマは「近代の歩みとともにあった奄美出身者の動向」です。
奄美群島の現在の人口は11万人(推計値)を切っています。ところが関西にいる奄美出身者は約30万人といわれています。もちろんその数の中には三世や四世も含まれますが、奄美群島より多くのひとびとが関西に住んでいることは事実なのです(最近は奄美から関西への一世ニューカマーが減っていますが)。

関西には奄美出身者による郷土会(郷友会とも)が多くあります。各集落(シマ)単位、校区単位、市町村単位、島単位と入れ子のように何重にも会が存在し、その上部団体として、「神戸奄美会」「関西奄美会」が存在します。こうした愛郷精神にもとずいた郷土会の盛んな活動は、関西にある他の日本各地の郷土会活動に比較しても、突出している感があります。今回〈奄美にとって明治150年を問う〉シリーズの第一回番組のゲストとして出演していただくのは、中井久夫さん。神戸奄美会の元会長さんです。

中井氏は奄美大島奄美市の出身。九州の大学を出て、神戸新聞に記者として活躍されます(阪神・淡路大震災が起こった時は編集局社会部副部長として困難ななか紙面づくりに奔走していました)。

その中井氏が明治以降の奄美出身者の足跡をたどります。その150年の歩みを振り返ると、差別や戦災、戦後の日本からの行政分離(1947-1953)、もえあがった祖国復帰運動、産業構造変化によるヤマト(本土)への労働力移動……などさまざまな苦労を重ねてきました。中井氏はそうした波乱に満ちた出身者の動向について「それでも出身者は〈負けてたまるものか〉を意味する〈スットゴレ精神〉で乗り切ったのではないか」と語ってくれたのです。

(中井和久氏のプロフィール)1946年生まれ。鹿児島県立大島高校、北九州市立大学文学部卒業。1970年神戸新聞社へ入社。社会部記者・副部長、メディア開発局次長兼企画部長、阪神総局長などをつとめた。神戸奄美会会長、関西奄美会副会長を経験。好きな言葉は「奄美はひとつ」。神戸市在住。

さあ番組を聞いてみましょう。