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「長田今昔ものがたり」第66話

第66話 マーガリン発祥の製油業 2017年10月14日放送

苅藻島の手前に「ミヨシ油脂」があります。かつての神戸の大商社の鈴木商店の油脂部門を1960年ころに引き継いだ会社です。1910年に東大卒の久保田氏が魚油を使ったマーガリン作りの研究を始め、鈴木商店(兵庫製油所)が市販しました。この地は「硬化油脂工業の発祥地」と言われています。バターが手に入らず「代用品」として「人造バター」が重宝された時代でした。ミヨシ油脂は真野地区の大企業として地域密着の活動をしています。製油業としては、高松橋の近くに「不二製油」もあります。大豆たんぱくの「あぶらあげ」等を作っています。門のそばの鉄製の「窯(かま)」がこの企業の歴史を語っています。


66話 ミヨシ油脂(石鹸も製造)

「長田今昔ものがたり」第65話

第65話 西須磨の職域と店舗(閑話休題 ) 2017年10月7日放送

1920~1930年代の話です。須磨の枕言葉は「風光明媚・白砂青松・気候温暖」といった好印象のものが並びます。その中で、西須磨は南北約2kmで東西が約3km、面積は三角形で約6km²です。この狭い地域の職域と店舗を見てみると、多彩な店・職人・珍しい職種がでてきます。医師がなんと22軒、植木屋12軒、酒屋11件、花屋、旅館、ブリキ屋、そして大工・棟梁、職人さんも大勢いました。勿論「大師もち」も売られていましたが、ロシアベーカリーという「パン屋」さんも人気でした、小銃を修理する鉄砲屋とか、日本刀を研ぐ「刀屋」など、須磨ならではの「たたずまい」でした。


65話 須磨寺前商店街の賑わい


昭和初期の須磨寺前商店街の地図
(クリックしていただくと井上氏作の地図ファイルが開きます)

第15回 ラジオママネット〜サタデーカフェテラス

今回のゲストは、神戸市を中心に、親子で参加できるベビーヨガを始め、産後ヨガやベビーマッサージなど、ママはもちろん、お子さんやご家族の体と心に優しい教室を運営されています、林ちよんさんです。

活動拠点は、神戸市中央区・兵庫区が中心で、兵庫区内の自宅サロンでは、マンツーマン・少人数制で、個々のペースに合わせてレッスンされています。活動内容としては、マタニティ期や産後の様々な不安や不調を和らげられるよう、マタニティトリートメント・産前産後ヨガを通してケアを行われています。

子育て中のお母さんが気軽に集える場所、困った時・一息つきたい時に行ける場所、お母さん同士が色んな情報をシェアして笑顔で語り合える場所を作りたいと、考えていらっしゃいます。

子育ての中心はお母さん! お母さんの笑顔が赤ちゃんとそのご家族みんなの幸せです。子育ての不安や疑問を感じたり、ホッと一息つきたいときは、是非 林ちよんさんを思い出してくださいね。

また来月も、素敵なゲストをお迎えします。
どうぞお楽しみに〜

「長田今昔ものがたり」第64話

第64話 製糖業と台湾 2017年9月30日放送

砂糖は高価な品でした。小麦粉が手に入り、高い玉子と、砂糖で、西洋風につくったのがカステラや瓦煎餅。製粉の増田さんは西神戸に進出する前は横浜で砂糖屋さんでした。そこの番頭の湯浅さんが独立し、兵庫運河沿い(東尻池)に1908年に開いたのが「神戸製糖」です。これを三井資本の「台湾製糖」が1911年に買収します。台湾は1895年に日本領土となり、両地域で砂糖の生産・販売が活発になります。1945年の日本の敗戦で台湾の地を失います。わだかんの子どものころ、まだ「台糖」の名前は有名で、砂糖は「台糖」でした。今「三井製糖」の看板が残ります。「台糖」の名前がどこかに欲しいです。


64話 三井製糖(台湾製糖ゆかりの場所)

9月のママトーーク、テーマは「理想の育休とは?」です。

今月のママトーーク!!!
第6回目のテーマは「理想の育休とは?」

出産予定日の6週間前から出産日の8週間後まで取得できる産休に続いて、出産日から1年間(こどもが満1歳の誕生日前日まで)取得できるのが育児休暇(=育休)です。ただしお給料は会社には支払い義務はなく、それぞれの判断に任されている現実。

せっかく休暇を取って育児に専念したいと思っているのに、会社から遠慮なく電話がかかってきたり… 休暇中の行動を会社の人に見つかると、「お給料もらってるくせに平日に遊びに行くなんて!」など非難の対象になるのでお出かけすら気をつかう!?とか… 赤ちゃんの1歳の誕生日が近づくと職場に戻らなきゃいけない!と、保活に必死になったり、苦渋の卒乳に親子で泣きながらトライしたり…

「さぁ 仕事のことは気にせずに思う存分 子育てしておいで〜〜」、「期間なんて気にせずに自分が仕事復帰したいと思うタイミングで帰っておいで〜〜」、というような思いやりのある温かい育休の整備は叶わないのでしょうか。

意見が一致しておもしろかったのは、「0歳児の育児なんて、辛いこと99%、楽しいこと1%」ということ。1歳から3歳にかけてどんどん可愛さや楽しさが増していくのに、その期間を他人に預けるなんてもったいない! 0歳児の育児が一番苦痛だった、というのが実感でした。

仕事がしたい人、もっと育児してたい人、個々の思いが叶うように!
選べる自由がありますように! と願います。

「長田今昔ものがたり」第63話

第63話 須磨の国鉄沿線、海岸 2017年9月23日放送

須磨の井上さんが子供のころ聞いた須磨のコワイ話。大正から昭和にかけての話をされます。海岸があり、松林があり、住宅街から離れた須磨浦あたりは、鉄道や、入水や、松林の「事故(自殺)」が少なくはなかったようです。しかし、「ちょっと待て 神は愛なり」という防止の札を立て、救命活動をする牧師や婦人団体、加えて、企業人などからなる「方面委員会」という組織も困窮救済にあたりました。妹尾河童さんの「少年H」でも、一の谷で、河童少年が自殺を試みるシーンがあります。幸いこの地域では、戦後から現在に至るまで事故はなく、立て札もありませんが、時に花が供えられています。


63話 2号線、一の谷検問所跡。この辺りに「一寸待て 神は愛なり」の標識柱があった(供養は今も続けられている、写真下)