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『ライトハウス』の経験から得たかけがえのないもの(6月10日の放送から)

ライトハウスとは、視覚障がい者の方々が寮に入って、日常生活や職業の訓練をおこなう施設のことです。

蔀(しとみ)さんもライトハウスで訓練を受けたお一人です。
「先日TV番組で京都のライトハウスが取り上げられていて、中途失明の40、50代の働き盛りの方がインタビューを受けていたんです」。蔀さんも失明した当初のことを振り返ります。

人生これからというときに失明し、心がついていかず、まわりに当り散らしてしまったという蔀さん。
「家族に『あれ、どこにおいたかな?』と聞いたら『あっちにおいたよ』なんて返ってくるわけですよ。でも『あっち』『こっち』『そっち』なんていう言葉は見えていてこそ通用する言葉であってね。見えへん私にとっては『あっちこっち言ったって分からへんやろ!!』と風になってしまうわけですよ」
するとご両親も不用意に傷つけまいと遠慮してあまり言葉が出なくなってしまい、今度は声をかけられないことに『私のこと放りたいんか!』なんて思って悪循環に……。

ライトハウスに入ったときも「一週間で帰ろう」と思っていたそうです。
「白杖をつくっていうのも本当に苦痛で、どうしてこんなところに入らなきゃいけないんだろうって」。けれど一ヶ月たち二ヶ月たち、その気持ちは徐々に変わっていきました。「だんだん自信がついて。時間はかかるけど、工夫をすれば料理だった裁縫だってできる。なんでもできるやんって。わたし一人でも生きていけるかもしれないなって思えたんですよね」

「ライトハウスで生活する人々も、これから施設を出て自分で生活をしていくとき、本当にいろんな摩擦がたっくさんあると思うのですが、訓練を受けて身体で感じ取ったことは無駄じゃないと思うし、いろんな友達やつながりができたことは、これから強い絆になっていくと思うんです」と蔀さんは語ります。

「負けないでほしい。希望を持ってずっと活動していってほしいし、世界を広げていってほしいですね」

または下の動画でも同じものをお聞きいただくことができます。

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