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小学校の福祉授業へ招かれて(10月14日放送より)

先日、蔀(しとみ)さんはある小学校の福祉疑似体験の授業に招かれ、子どもたちとの交流に出かけました。
「まず子どもたちに目を瞑ってもらって『それが、目が見えないっていうことやで。そのままご飯食べたり服を着たりするの想像してみて』と言うと、『信じられへんわ、どうやってご飯なんか食べるん?』なんて反応してくれて。もう、私が普通に歩いていることすら不思議みたいでね、いろんな質問をくれました。」と蔀さん。

どうやって服を着るか、買い物はどうするのか……日常の素朴な疑問から、『目が見えなくなったとき、どういう気持ちでしたか?』という質問もありました。
「私は中途失明なんですけど、ある日突然見えなくなったこともあって、見えなくなってからもずっと『見えている』感覚ですごしていました。突然見えなくなったように突然見えるようになるかもという気持ちがあったんですよね……。」
蔀さんも、子供たちの質問から改めて当時をふり返ることができたようです。

終了後には、先生から「子どもたちはずっと楽しみにしていて、どんな人が来るのかとか、こんな話をして欲しい!とか言ってたんですよ。」という嬉しい言葉ももらいました。
福祉に対する関心も、だんだん広がってきているようです。
しかし同時に、「来年からカリキュラムが変わって、こういうふうに時間を取れるか分かりません」とも言われてしまいました。

「せっかくこうして根付いてきたのに、政策やらで断絶されてしまうなんてね。やっぱり一番大切なのは継続するってことで、時間が減ってもちょっとずつでも続けていってほしいんですよ。」蔀さんはそう言葉を強めます。

理科も算数も、子どもたちにとって大切な科目です。
しかしそれとは別に、福祉疑似体験などを通して人としての優しさや思いやりを養うのも、大切なことではないでしょうか。
「障がい持った人も決して特別な存在じゃなくて、同じ社会に一緒に生きてるんやって知ってもらって、困ったときに手を借りるとか貸すとかを自然にできたら、もっともっといい社会になると思うんですよ。」
子どもたちにとって、本当に大切な教育とは何なのか――。もっと現場を見て、再考される必要があるでしょう。

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