9月23日と10月28日の第4土曜日2時からのYYJournal長田の視点は、FMわぃわぃの海外事情担当の日比野純一理事を招いて、インドネシアののメラピ山の仲間たちと何を目的にどんな活動をしているのかを聞きました。


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10月の「南の風~奄美編」 島尾敏雄を語る会&奄美民謡研究
10月21日17時から18時の「南の風~奄美編」いつものように担当は大橋愛由等さん
今月は前半は、「島尾敏雄を語る会」そして後半は「奄美民謡研究」についての重層なお話の1時間です。

ゲスト紹介
(1)高木敏克氏(小説家。長田区在住)
(2)酒井正子氏(川村学園女子大学名誉教授、奄美歌謡研究者)
(3)清水かおり氏(ウタシャ、太原俊成民謡教室)
◆語りの内容
(1)高木敏克氏(小説家。長田区在住)☆神戸の作家としての島尾敏雄について語ってもらいました。
高木氏は、10月21日(土)に神戸文学館で行われるリレートーク「神戸から 島尾敏雄を問う 文学・思想そして奄美の位相から」のパネラーとして参加するので、トークの内容の一部を番組で紹介してもらいました。島尾敏雄は生涯さまざまな場所にかかわった作家ですが、神戸に実家があり、奄美から復員後、神戸に住み、ここからいくつかの作品を執筆して文壇デビューします。しかし現在、島尾を「神戸の作家」としてとらえる傾向が少ないために、高木氏があらためて島尾作品を読み直すことによって、再評価の試みをしたのです。(10月21日に開催されたリレートークで当日会場に配布しました冊子も添付しておきます)
10月21日(土)神戸文学館で行われたリレートーク「神戸から島尾敏雄を語る 文学・思想そして奄美の位相から」で熱弁を振るう高木敏克氏(右から二人目)
同日島尾敏雄に関するリレートーク当日に配布された資料01
同日島尾敏雄に関するリレートーク当日に配布された資料02

(2)酒井正子氏(川村学園女子大学名誉教授、奄美歌謡研究者)☆奄美歌謡の研究の最前線にたつ立場から歌謡全般のありようについて語ってもらいました。
奄美歌謡の研究者として著作・研究論考も多い酒井正子さん。FMわぃわぃ「南の風」には二回目の出演です。前回はFMわぃわぃの局舎がまだプレハブ造りだった時代。今回は東京から関西のシマウタ大会を見学するために神戸に滞在していたのを、日程を調整してもらって番組に出演していただきました。
酒井さんは、永年、研究のために録音・録画していた貴重な奄美(特に徳之島中心)の歌謡に関する音源、録画を、徳之島伊仙町に寄贈されました。これは素晴らしい行為です。現地で録音・録画したものを、現地に還元する(研究室に閉じ込めてしまわずに)その営為は、研究者としての良心を感じます。わたし(大橋)も20年以上「南の風」の番組のために録音してためている音源を神戸に抱え込むのではなく、いずれ奄美の各島に還元しようと考えていただけに(もちろん酒井さんが蒐めた量とは比較にはできませんが)酒井さんの寄贈の行為には賛意と讃辞を送りたいと思っています。
番組ではFMわぃわぃCDライブラリーとして制作した坂本武広さん(徳之島町山集落出身)の歌声を丁寧に解説してくれました。

(3)清水かおり氏(ウタシャ、太原俊成民謡教室)☆シマウタの師匠である太原俊成さんについて。
添付している写真(左)に映っている男性は太原俊成さん(ヒギャ唄の名手)、女性はカサン唄の女王・上村藤枝さん(いまやこのお二人はお亡くなりになっているので、この写真、かなり貴重です)。お二人がNHKテレビに出演して45周年にあたる時に開いた記念コンサートで撮影したものです。このNHKテレビの番組は日本ではじめて奄美のシマウタが全国的に放映された記念碑的な番組なのです。
奄美大島瀬戸内町出身の清水かおりさんは、太原俊成民謡教室で研鑽をつんでいました。太原さんの周りには、師匠のやさしい人柄にも引き寄せられ、いつも多くのお弟子さんたちが集まり、シマウタが後世につたえるべき大切なことを伝授していこうとする情熱が感じられました。そんな太原さんが2017年9月に逝去されたのは、残念なことです。
NHKテレビ出演45周年記念コンサートで花束を受けるウタシャの太原俊成氏(写真左・ヒギャ唄の名手)、上村藤枝さん(写真右・カサン唄の女王)。いまこの二人はお亡くなりになっているので貴重な写真
いまどきのメディアリテラシー~なぜアメリカは分断したのか~
10月14日土曜日14時半~15時
なぜアメリカは分断したのか「いまどきのメディアリテラシー」
「いまどきのメディアリテラシー」神戸三田キャンパス特設講義
②「なぜアメリカは分断したのか〜それはメディアから始まった」
関西学院大学神戸三田キャンパスの山中研究室スタジオでの特設講義。
司会:金千秋(FMYY)・講義:山中速人・受講生:山中速人ゼミ3回生のみなさん。
いまどきのメディアリテラシー9月9日~30日
いまどきメディアリテラシー
関西学院大学総合政策学部山中速人研究室ゼミ 番外編としてFMわぃわぃと協力して制作しています。
新聞からラジオ、そしてテレビ今やインターネットでのメディア発信が行われる現在、
その最初からメディアが社会の動きと大きな関係性を持ってきたのは確かなことです。
戦争の世紀といわれた20世紀のメディアが果たしたことを再度真摯に検証し
豊かな21世紀に向かうはずの現在の社会現象を共に見つめたいと考えています。
■9月9日放送分
日本のメディアの歴史を見つめるシリーズ
「アジア太平洋戦争の経験からメディアを考える~大本営発表」
①満州事変とメディア
新聞と世論が満州事変を支持し、熱狂を作り出していく過程をみつめる。当初、批判的だった朝日新聞は、大衆の圧力に負け、積極論に転向していった。
話し手:山中速人(関西学院大学教授)聞き手:金千秋(FMYYプロデューサー)
「大本営発表」とは、太平洋戦争(大東亜戦争)において、大本営が行った戦況の公式発表のことだが、戦争が終わって72年たった今も「ウソだらけの公式発表」の代名詞となっている。
ただし、これは過去のことではない、今でも、たとえば、福島原発事故に際して、NHKをはじめ、多数のマスメディアが一斉に、政府と東京電力の発表した、メルトダウンが起こっていないという公式発表のみを報道し続けたとき、この「大本営発表」の悪夢が過去のことではないことが示された。条件さえそろえば、いつでも、日本のメディアは、大本営発表を繰り返すのではないか。
■9月16日放送分
日本のメディアの歴史を見つめるシリーズ
「アジア太平洋戦争の経験からメディアを考える~大本営発表」
②大本営発表とメディア
大本営発表の登場。
大本営 1937年11月に設置、敗戦まで戦争を指導した。
大本営報道部は、1937年11月20日に発足した。
大本営発表は、作戦報道の最高権威と位置づけられた。
『大本営』(幻冬新書)辻田まさのり によれば
当初、陸軍と海軍でバラバラで、戦争を指導した。陸軍参謀本部が「大本営陸軍部」を名乗り、海軍軍令部が、「大本営海軍部」を名乗っていただけ。よって、大本営陸軍報道部と大本営海軍報道部が、別々に働いていた。1945年5月になって、はじめて大本営報道部に統合された。
当初は、新聞は過剰報道を抑制するような動きもあったが、新聞販売部数と過剰報道は正比例だったため新聞のセンセーショナリズムと軍の既成事実主義が、相乗し、ウソ報道の下地が形成されていった。(現代のFakeNewsにも通じている)
■9月23日放送分
日本のメディアの歴史を見つめるシリーズ
「アジア太平洋戦争の経験からメディアを考える~大本営発表」
③ガダルカナル戦とメディア
大本営発表の変化と転落の分岐点としての「ガダルカナルの戦いがそうだ。大本営発表報道の文言が巧みに言い換えられることで、真相が隠され、負け戦があたかも勝ち戦であるかのような粉飾がなされた。
言葉の言いかえの例:全滅→玉砕、撤退→転進
このようなことばの言い換えで真相をごまかすことは、今日でも続けられている。
敗戦→終戦、共謀罪法案→テロ等防止法、言葉には敏感であることが重要である。、
■9月30日放送分
いまどきのメディアリテラシー・通常版
Jアラートと北朝鮮ミサイル危機
全国瞬時警報システム(ぜんこくしゅんじけいほうシステム、通称:J-ALERT(Jアラート:ジェイアラート))
これは、通信衛星と市町村の同報系防災行政無線や有線放送電話を利用し、緊急情報を住民へ瞬時に伝達する日本のシステムである。2004年度から総務省消防庁が開発および整備を進めており、実証実験を経て2007年2月9日から一部の地方公共団体で運用が開始されている。
≪問題点≫
防災と戦争との同一視が生じることの危惧を知ってほしい!
防災情報を効果的に受け取ってもらうためには
「凍りつき症候群」からの解除が必要とされている。
イギリスの心理学者ジョン・リーチ博士の研究によると、運悪く不意の災害に見舞われた時、人の取る行動は次の三つのカテゴリーに分かれる。
1、落ち着いて行動できる人=10~15%
2、我を失って泣き叫ぶ人=15%以下
3、ショック状態に陥り呆然として何もできない状態になってしまう人=70~75%
大多数の人が発災時にショック状態に陥り、呆然として何もできない状態に陥る「凍りつき症候群」。
発災時における防災無線、非常放送などに期待されるのは「リスク予兆認知バイアス」の非常呪縛から解放し、緊急スイッチをONにすること。そして、リスクの早期「気づき」を促進するためには、実戦的防災知識、意識付け、訓練が重要。特にリーダー、行政、マスコミ、企業は、従来の緊急メッセージ内容などを検証し早急に改善することが、犠牲者を軽減する大きな役割を果たす。
これを軍事警報に応用するとどういうことになるかと考えることが必要。
→ 自然災害と戦争をともに、発生をとめられない現象としてとらえてしまわないか。原因を取り除く努力より、国防訓練に熱中してしまわないか。
→ 防災訓練の頻度は、自然災害にフィードバックされることはない。しかし、戦争は相手があることで、警戒訓練の頻度が相手国にこちらが戦争を予期しているのではないかという誤ったメッセージになる場合がある。
→ 消極的参加者に対する排除や攻撃の材料となることで、同調圧力を拡大し、国家の防衛体制に人々をいやおうなく組み込むことになる。
→ 防災関係は予算縮小の日本で唯一、拡大している部分だ。これに安全保障を組み込むことで、防災関係と安全保障(軍事)関係との一体化が進むおそれがある。
→ 防災研究がいつのまにか、国防研究にすりかわっていくことにならないか
→ テロ対策と防災の備えが、混同され、ふたたびマイノリティに対する攻撃や排除、虐殺につながらないか危惧する。
→ 原発から30キロ圏にすむ人々の避難については、計画すらたてられておらず、訓練すらしていない。テロ攻撃にもっとも弱い部分については、放置されている。ようするに、危険がリアルであるほど、対策が講じられない。リアリティがないからアラートをだしているということにならないだろうか。それは、アラートに対する恒常性バイアスを強化してしまうだろう。
ネットには、今回のJアラートが、平和ボケに対する警鐘になったというような粗雑な意見がみられた。排外主義と国家の危機だけ叫んでいれば、安全が保証されるというネトウヨの粗雑な意見と同様に、緻密さに欠ける主張に乗せられないよう、しっかりとメディアリテラシーをつけてほしい。
いまどきのメディアリテラシー 第16回
9月2日土曜日の「いまどきのメディアリテラシー」第16回目
「メディアがヘイト感情を掻き立てる!」
メディアによって掻き立てられるヘイト感情。なぜ感情を考えることが重要なのか。それをどう抑制していくことができるのか。社会心理学の最新の研究をもとに、ヘイト感情の原因と抑制について考えます。
「FAKENEWSとFACTCHECK」
インターネットの時代に入り、情報の洪水の中で、そこで立ち止まり、真実を見抜くことは非常に難しくなって来ています。また短く、過激でかつ攻撃的な論調こそが、人々の心に響き、広く拡散していく時代ともなっています。その中で「本当」は何か?何かの怒りのはけ口として、感情の論理で同調していくうねりなのではないか、それらを立ち止まり、沈思黙考する人々に届く「声」について検証していきます。
この「怒り」や「攻撃」のうねりを見つめ直すための「声」は、論理的な認知の問題ではなく、感情の領域だということを考えると次に私たちにあるものはなんでしょう。
そのための「力」として考えらるのが「芸術」「アート」、音楽や絵画や、ダンスパフォーマンス。。。人々の心に届けるための論理ではない、しかし人間の善なるものに共感していくための力としては大きいのではないでしょうか。
いまどきのメディアリテラシー 第15回
アメリカ大統領選挙の勝敗に大きな影響を及ぼしたといわれるフェイクニュース。今回は、インターネットに拡散するフェイクニュースについて考えます。

8月26日の第15回目の「いまどきのメディアリテラシー」
本日も語り手は。関西学院大学総合政策学部メディア情報学科教授山中速人さん。聞き手はFMわぃわぃ金千秋です。
■インターネット時代の言葉「FAKENEWS」
「fakenews」つまり虚構の情報、これは、ハードウエアー・プラットフォーム・プロバイダーという3つのカテゴリーがらなるインターネット世界から出て来た言葉です。
今までのメディア、つまりニュース・情報を届けるメディアが規範として持っていた、調査し精査して報道するという形態から、何処かの誰かの言った言葉が、一人歩きして大きな流れを作り出す、今やインターネットというアルゴリズムが織りなす世界で、集団における極化現象が起こり、ある一定方向に向けた攻撃の手法となっています。
その現象を深く静かに読み解いていきます。