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障がい者活動家 牧口一二さんをお迎えして

5月5日の「ふれてあれこれ好奇心アイtoアイズ」では障がい者運動家である牧口一二さんをゲストとしてお迎えしました。

●牧口さんについて
 牧口さんは1歳の時にポリオにかかり、足が不自由になりました。障がい者活動家として様々な活動に取り組んでいますが、最近は大阪駅にエレベーターを設置する運動に参加していました。
 障がい者に対する運動を始めたのは30歳の頃。松葉杖を使って移動していましたが、60歳になって電動車椅子を使用し始め、そこからバリアフリーやユニバーサルデザインを意識し始めたそうです。
 「街中で障がい者を見ることが増えたのは良いが、未だに健常者が障がい者を見るときに「かわいそう」と思うことは全く変わっていない」と牧口さんはおっしゃっていました。

●「どの障害が良いですか?」
 より子さんと牧口さんは以前対面した時、「何の障がいがええか?」と話し合ったそうです。例えば視覚障がいでも、見えない分どこか別の力でカバーしている、とより子さんもおっしゃっています。障がいを持つことはええことと思っているからこそできる会話です。「特に健常者には自分が障害になった時のことばかり考えてしまいがちで、障がいを抱えた分仲間が助けてくれる、と考えれば、障害を抱えていてもええんやないか?」と牧口さんは言います。とにかく障がいは素晴らしい!ということを理解してほしいと訴えていました。

●ゆめ風基金
 牧口さんは、自然災害による被災障がい者を支援する ゆめ風基金 の活動でも有名です。設立したきっかけについてお聞きしました。
 きっかけは阪神・淡路大震災。震災の恐ろしさに触れ「緊急事態が起きた時、障がい者も必ず困る。その時に自分はどうしたら良いのか」と考えていたそうです。いざとなった時のために、お金を貯める。そして災害が起きた時にすぐさま支援できるようにと考え、基金を設立しました。
 牧口さんは「民間の団体だから、あえて不平等にできる。公共の機関は被災者全員に平等に配らないといけないだろうが、自分たちは特に助けを必要としている人や助けたい人にたくさん渡すことができる」と言います。阪神・淡路大震災から16年経ち現在3億円が集まっています。今回はその金を全て使って、東日本大震災への援助を行う予定だそうです。
 現在全国6ヶ所に被災地障がい者センターを作り、援助しようとしています。ゆめ風基金は専従スタッフが2人と少なく、今回の震災での活動は特にボランティアに頼っています。多くの健常者の方がボランティアを申し出てくれていて、ただただ嬉しいとおっしゃっていました。

「自然災害が終わらないように、人の営みも終わらない。だからこそ、活動していかなければならない」。「私は不平等でいることに誇りをもっております」。これらの言葉に感動しました。東日本大震災で障がい者支援をどうするか、マスメディアでもよく取り上げられていますね。避難生活でも多くの問題を抱えているように思います。彼らがより安心した生活を送れるように、牧口さん含めゆめ風基金の活動を応援していきたいと思います。

FMわぃわぃボランティアスタッフ 村上

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