声のトゥモロー(5月27日の放送より)

野見さんは先日、障害を持たれたご一家のヘルパーとして沖縄観光に行かれたそうですが……

三泊四日、いったいどんな滞在だったのでしょうか??

野見さんの今回の旅は「車椅子で沖縄、どこが行けるんだろうとか、泊まれる場所はどこだろうとか、あと移動や滞在、観光施設なんかの情報は一般のガイドブックを見てもなかなか得にくい」ということで、沖縄でユニバーサルツーリズムを推進している団体にお願いして、現地のユニバーサルな情報を良く知っている方にガイドについてもらうことになったそうです。

印象に残ったことは?

「なによりも沖縄は交通機関がある一部分しかないので、移動がまず大変なんですね。そこでリフトつきのタクシーを出していただいて、3日間付いていただけたので、移動については助かりましたね」

かの有名な水族館内の移動なんかはどうだったのでしょうか。
お昼にソーキそばを食べたという話も小耳に挟んでいます!

「水族館はできて新しいということもあって、エレベーターも充分あるし、トイレも車椅子用があるし、点字のパンフレットや模型紹介があったり」音声ガイドまであるようで、「ユニバーサルに関しては大分充実した場所」とのこと。
「お昼はソーキそばのイチオシのお店を紹介していただいたり。普通の観光ならどこも分からず入って、こんなものかと思うことが多いですが、地元の方のおすすめ情報をもらえてすごく良かったと思います」

地元の小ネタや耳寄り情報を教えてもらいながらの旅、……なんて楽しそう!

石山さんも「ウイング神戸ももっと見習わなくちゃいけませんね。(情報を提供するためにも)もっと街に出て行って街を知っていかなあかんなと感じました」
ウイング神戸ももっと進化しますよ、と意気込んでおられます。

利用者の側も楽しみですね!

盛りだくさんの三泊四日、前半のお話でした。後半続きはまた次回の放送で♪

じゅうしん須磨寺みなさんをゲストに(5月20日放送から)

本日のゲストは小規模作業所じゅうしん須磨寺の(写真手前を左から)時本さん、平本さん、宮本さんです。じゅうしん作業所は重度の身体障がい者、知的障がい者の重複の方たちが利用されている作業所です。利用者である平本さんは、さをり織りをつくっています。縫製をボランティアさんがおこなって、ポーチやベストにして販売しています。

所長の時本さんによれば、利用者の方々は「医療が必要という境目なんですよね。お茶がちゃんと飲めてるか、他の器官に入ってないか、食事もやわらかいのですがもっと細かくしたりとか、食事のときが一番神経を使います」。コミュニケーションも「言葉はないですね、だから表情を見たりとか、前のときといまとは違う状態だとか」。

そんな時本さんのかかわって良かったと思うときは?
「そらもう、利用者さんの表情ですよね。職員さんたちとこれして良かったねと喜びをわかちあえたりとか。自分の子どもも障がいがありますけど、また違った障がいで。いろんな方がおられますけど、喜びっていうのは一緒ですよね。こっちもうれしくなったりとか。お茶が飲めたっていうのが、その人が飲んでくれたっていう・・・そんな気持ちがありますね」。

これからの作業所については「地域活動支援センターにしたい。作業所にきてお昼食べて帰るだけの生活ではなく、喜びのある生活にしたいと考えています。作業も、少し工賃・・・というほどではないですけど、達成感というか、お金に繋がることだけが達成感ではないですけれど、なにかしら達成感を感じられるようにしたい。お金頂くというのは認めてもらったということだと思うので」。

さをり織りは「かんたん」と話す織り暦4年のベテラン平本さん。「作品の値段は?」ベテランの口癖は「7万円」。高いと聞くと「10円」。「今日はえらいおとなしいな」とツッコミも。放送中も笑いが絶えない、じゅうしん須磨寺のみなさんでした。

視覚障がい者は料理をするの?(5月13日放送から)

5月13日の放送は「料理」がテーマ。

「見えない人って料理してるの?」と聞かれることがありますが、もちろん料理をします。視覚障がい者の人のためのお料理教室もあります。

視覚障がい者のお料理第一歩はお湯を沸かすところから。なぜならコンロに火をつけても、ついているかどうか分からない。横に手をかざして・・・コンロの上にちゃんとのっているのかを確認します。お醤油や油の量にしたって、今のように便利な調理器具はありません。「こんなん絶対無理や」と思っていたけれど、ひとつ工夫するだけでできるようになっていく。

ポイントは、丁寧に確認していくこと。たとえば、焼き加減。焼き魚も中まで火が通っているかわからない。でも竹串一本で中に火が通っているかわかります。竹串を刺して抜いてみて、先っぽを触ってべちゃべちゃっとしていたら生ですし、つるつるっとしていれば火が通っています。友達に「あんた家で魚焼けるん?中まで火通ってるかどない確認すんの。私、時々生になるときあるで」と聞かれて竹串のことを教えると「ええこと聞いたわ!」と驚かれることも。

見えない分だけワンクッションかかるけれど、急ぐことはない。「ひとつひとつ手間なんですけど、工夫しながらでも料理をしていったら、今日はこういう冒険してみようかなとか、これとこれの調味料を混ぜてみたらどうなるかなとか、いろいろ楽しみながら料理をしているんですね」。

そんな蔀さんのお気に入り料理を教えてくださいました。茄子とウインナーを使った料理です。詳しくはぜひラジオ音声を聞いて確かめてください!

小規模作業所のこれから(5/6放送)

石倉さん5月6日はゲストに石倉泰三さんをお迎えしました。石倉さんは作業所くららべーかりーだけでなく、さまざまな事業を地域と作業所で協力しながらおこなわれています。アイtoアイズのご意見番でありコーディネーターでもありますが、今回はゲストにお迎えして、小規模な作業所のこれからについてお話いただきました。

石倉さんによれば、作業所にはいろんな立場があり、状況がありますが、「どんな作業所も国が示すように法人格をとって、しっかりとした基盤をもってやりたい」けれど、そのためのハードルはとても高い。

「ハードルをこえやすいような状況を作っていただいて、やっていけたらなあと思う一方で作業所のほうもね、今までとは違うことをやってかなあかんやろなって思います。地域に密着しながら、地域に育ててもらい、地域に貢献できるような活動をしていかないとますます障がい者の行き場がなくなってしまう」。

こうした障がい者を支えるはずの、自立支援法には「うまいこと名前つけますねえ」と思わず皮肉も。きれいな言葉でまとめられているだけで、実際はきれいな話だけではない。使いづらい。なにより負担も大きい。「だれがつくったんや、でてこーいって気分になってしまう」。将来、年金生活になればもっと負担が大きくなる。これでは展望や希望がもてない・・・

それでも「なんとかやってかなあかん」。
支援法がこんな状態で、作業所がなくなってしまえば、障がい者の受け皿がなくってしまう。もちろん、小規模作業所では受け入れられる人数に限界がある。「行き場をなくすのはとめなあかん。もどかしいけど、それでもやっていくしかない」。絶えずさまざまな問題にぶち当たってしまうなかで、作業所を、地域を支えていこうとする石倉さんの言葉はストレートに胸に響きました。

デザイナーの畑中博さんをゲストに(4/29放送)

畑中博さん4月29日はゲストに工業デザイナーの畑中博さん(写真左)をお迎えしました。畑中さんは、共働作業所くららべーかりーのマスコットキャラクターや一七市(いちなないち)のポスターのデザインを手掛けています。

ギターのチューニングをする音叉やスペーカーなどの数々の工業品をデザインをしてきた畑中さんは、くららべーかりーの石倉泰三さんと出会い、協力をすることになりました。「お金をもらってクライアントのオーデーに応えてする仕事ではなく、好きなイメージで楽しくデザインができます」と声が弾みます。
視覚に障がいのある番組パーソナリティーの蔀さんからの「目の見えない人には、どんなデザインをするんですか?」という問いに、「紙粘土などを使った立体デザインですね」とアイデアを膨らませてくれました。

また色は決めつけるものではないとも。「空は青い、と大人は言ってしまいがちですが、空にもいろいろな色があります。見えなくて、その人が描きたい色で表現することが大切なんです」。そして、子ども達から学ぶことがたくさんあると語って頂きました。

髭を蓄え、穏やかな声の語り口の畑中さん。ありがとうございました。畑中さんがデザインしたキャラクターが描かれたくららべーかりーのパンを運ぶ車が、今日も長田のまちを走っています。

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