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映画「老親(ろうしん)」から介護を考える(11月27日放送より)

今週の「より子のちょっと言わせてもらいます」は、介護をテーマにした映画「老親(ろうしん)」についてです。

映画「老親」は、監督・槙坪夛鶴子、原作・門野晴子で、原作者の実体験を元にした作品です。原作者だけではなく、監督自身が長年親の介護に携わり、自らリウマチも抱え車椅子ながら、痴呆症の母親を連れて撮影をされたそうです。

「出演者は萬田久子、小林桂樹、草笛光子など凄いメンバーなんですけど。主人公の成子(萬田久子)は、夫が単身赴任中、夫の実家で舅の面倒を見てたんですよ。それで夫が赴任から帰ってくることになって、夫から『長い間苦労かけたな』なんて言われるんですけどね、そこで成子は『離婚して欲しい』って言うんです」。
そんな家庭・家族においては非常に衝撃的なシーンから始まるこの映画。

『舅や夫の世話や介護で生きるなんてまっぴらだ。自分を生きたい』。(「老親」フライヤーより抜粋)

末期がんの実父の看病、姑の急逝、残された「オトノサマ舅」の長年の介護生活……。
疲れて燃え尽きてしまう前に自分の人生を生きようと、離婚して、実家のある東京に戻った成子。
しかし、なんと舅が追いかけてきた!!
家事は一切不能の「オトノサマ舅」(83歳)が、主夫となって元嫁と孫を支えることに喜びを覚え、自立し、お互いに対等な立場になっていく――。

介護に苦労しつつも明るく生きていこうとする成子を通して、「老親」と共に「輝いて生きる」道への希望を描くこの作品。

物語は舅の逝去後、成子は犬猿の仲の実母を引き取る羽目になり、老いとの共生を目指す日々の幕開けとなるのですが……。
「一言で『介護は大変やね』では済まない現状がありますよね。老老介護の問題だとか、長男の嫁だから舅姑の面倒見るのが当たり前って言われるとか。そういう負担を軽くしようと介護保険制度だとかができたはずなのに、見直されるたびに介護が受けにくい状況になっているとか。障がい者自立支援法しかり、制度をつくっている人には、本当に今一度、現場を見て欲しいものですね」。

「老い」「介護」。それらは全ての人がおおよそ避けては通れないものです。高齢者と共に「輝いて生きる」とは、どういうことなのでしょうか。
「この映画を通して、介護って何なんやろ、って考えるきっかけになると思うんですよ。機会があったら、ぜひ観て欲しいです」。

【リンク】『老親』製作委員会 企画制作パオ(有)

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