トップページ > 2011年5月

支援を「しなければならない」と考えない!

5月26日の「ふれてあれこれ好奇心アイtoアイズ」。

●より子のちょっと言わせてもらいます!
 秋田県の中学校で、東日本大震災での寄付をしなかった生徒の名を掲示していたニュースを取り上げました。
 寄付というのは善意で自発的に行うものです。このような強制的なことはしてはいけないし、やったとしてもそれは善意の押し付けです。最近ボランティアを含め、全体的に「しなければいけない」、と考え始めていないでしょうか。
 「『皆で一つになろう』という考え方は良い。しかしその考えを簡単に押し付けるのは本当に良くない。自分たちができることを、できる範囲ですれば良い。たとえできる内容が違っていても、それで良い。」とより子さんはおっしゃっていました。
 また、より子さんの友人がボランティアで被災地に行ったのにも関わらず、受け入れ側の体制が整っていないこともあってか最初の一日は何もしない日があったそうです。その時「何のためにボランティアに行ったんだろう」と思ったのだそう。支援やボランティアをしようと思っても、大変な状況が続いているからこそうまくいかないこともあります。被災地の事情をしっかり把握した上で被災地を支援したいものですね。

●でかけてみませんか、情報局
 今日は「東日本大震災 障がい者支援チャリティーコンサート~手のひらを太陽に~」を紹介しました。
 連日、東日本大震災と原発関連の報道がされていますが、被災した障がい者の情報はほとんど入ってきません。阪神・淡路大震災を経験した私たちだからこそ、今回被災された障がい者の方々を支援したい、ということで開催されることとなりました。
 主催の、知的障がい者福祉事業所を運営しているNPO法人ボレロさんは大正琴を披露してくれます。その他大勢の出演者がいるのですが、本番組のパーソナリティであるより子さんも、歌で出演します。
 2011年6月5日(日) 13時~16時半、神戸市の灘区民ホール 大ホールにて開催されます。
 より子さんは15時頃から出演するそうです。是非行ってみてはいかがでしょうか?

●WING KOBEの声のトゥモロー
 4月にリニューアルされた布引ハーブ園を紹介しました。
 まずは、布引ハーブ園へのロープウェー。今までは一部のゴンドラだけしか車椅子に対応していなかったのですが、今回のリニューアルで全部のゴンドラが車椅子対応になりました!入り口・室内共、幅が広めの車椅子でも余裕があるつくりになっており、乗る際の段差もないので快適にハーブ園に向かうことができます。
 ハーブ園はくねくねした道も多く、坂道でもこう配が気になる所もありますが、園内で無料で貸し出してくれる電動アシスト車椅子に乗れば力をあまり使うことなく園内を回ることができます。足腰が心配な高齢の方などにもオススメだそうです。
 またオススメのイベントとして「ハーブガイドツアー」を紹介していました。11時からと13時半からのものがあり、45分間園内を巡るものだそうです。無料で参加できるとのことでしたが、団体の方や障がい者の方は要事前連絡、とのことでした。
 これからラベンダーの季節が始まります。散歩先にいかがでしょうか、ということでした。

●より子のあーぢゃ、こーぢゃ。。
 今日はほっこりした話を取り上げました。
 ある日外出先でレストランに寄った際、食べやすく取り分けるためのお椀を店員に頼んだそうです。別の機会に同じレストランに寄った所、店員はそのことを覚えてくれていて、最初からお椀を用意してくれたそうです。
 「箸を使って食べるのは大変なので、あえてスプーンを使う料理や食べやすいものを注文していた時期もあった」と語るより子さん。しかし「食べたいものを食べたい」と、自分の思いに正直に注文するようになったそうです。
 今回のような気遣いがあったお陰で、より楽しく食事ができたということでした。「障がいを抱えた当初は外に出て食事をすることも嫌で仕方なかったけれど、喫茶店のマスターやレストランの店員とのおしゃべりが楽しみになることもある。外食も捨てたものじゃない」とおっしゃっていました。

FMわぃわぃインターン生 村上

エコールKOBE 学園長河南勝さん と生徒さんをお迎えして

5月19日の「ふれてあれこれ好奇心アイtoアイズ」では エコールKOBE 学園長の河南勝さんと生徒の近澤さん、池田さんをゲストとしてお迎えしました。

● エコールKOBE とは
 エコールKOBE は新長田駅近くにある事業型の学園です。特別支援学校の高等部を卒業した障がい者に対する支援の場として開校しました。河南さん曰く、「知的障がいや発達障がいを持った人が通う大学のようなもの」だそうです。今年の4月に開校したばかりなので、ゲストの近澤さん、池田さんは1期生ということになります。生徒は計15名が在籍しており、これから2年間通います。
 「生徒は皆意欲的に勉強している。皆主体的に学べるように、こちらも努力している」と河南さんは言います。「特別支援学校の進路指導の先生がここを探してくれた。今はとても楽しい」と近澤さん。学校の授業ではストラップなどの創作活動が特に好きだそうです。池田さんは野球が好きで、プロ野球の試合の記録などが好きと言っていました。
 この学校の目玉はやはり「主体的」に勉強できること。15人の生徒が話し合いながら色々と決め、行動させることで、社会で生きていく力を育てていきたいのだそうです。

●これからの目標・夢
 この学園はまだ発足したばかり。これからの活動が注目されます。1期生の卒業旅行には海外に行きたい!といった発言もありました。
 「エコールKOBEの生徒は、今まで学校にあまり行けなかったり、いじめ経験があったりした子がほとんど。『友達と共に学園生活を送る中で、自分を出して良いよ』ということを教えていきたい」と河南さん。近澤さんは「これから商売について学びたい。自分で作ったストラップなどを売れたら良いな」と将来の夢を語っていました。池田さんの目標は、まず「友達と甲子園に行くこと」。学校でできた友達と行くことを考えているそうです。
 「エコールKOBEのような、特別支援学校を卒業した人が行く学校は全国的に少ない。今の状態では規模を大きくすることも難しい。でもニーズも、期待もあるはず。生徒が成長することでこの形態の事業も全国的に広まってほしい」と河南さんは最後におっしゃっていました。

今回の放送で、初めてこのような学園の存在を知りました。特別支援学校を卒業する人への進路の幅を広げるためにも、このような学園は必要だと感じました。卒業後は「働く」という選択肢しかないのもどうか、と思いますよね。多くの生徒を育てていきながら、全国的に普及することを願っています。

FMわぃわぃインターン生 村上

被災地での話を聞きました

5月12日の「ふれてあれこれ好奇心アイtoアイズ」。
今回は特別版でお送りしました。ゴールデンウィークに石巻市港小学校へボランティアで行ってきた NPO法人 ウィズアス 代表の鞍本長利さんをゲストとしてお迎えしました。

●現地へ赴く
 鞍本さんは宮城県石巻市の港小学校に行き、ボランティアをしました。出発前、現地でボランティアしてきた仲間に聞いたところ、被災地にはぬかるんでいる道が多いため長靴を届けてあげれば、と聞いてたくさんの長靴を持っていったそうです。
 車しか移動手段がなく、互いに譲り合いをしながら現地を見てきたそうです。

●被災地の状況
 港小学校には石巻市の職員がついているのですが、毎日別の職員に替わっていることが問題だ、とおっしゃっていました。連携を深め、つながりを強めていくためにも考えて配置していかなければならないですね。
 現在避難所に登録されている人にしか物資が届かず、車の中で生活している人や、既に自宅に戻り生活している人は食糧が足りない状況になっています。
 また食事に関しては「現在震災から2ヶ月と時間が経っていることから、これからは各々の食文化に応じた支援をしていかなければならない」と鞍本さん。食事の支援はどうしても揚げ物やハンバーグなど日持ちがよいものになりがちで、高齢者には満足に食べられない状況になっていたそうです。かつおぶしや刺身など、食文化にあったものをこれから提供してかなければなりませんね。
 「これからだんだん日常に近づいていく。だからこそ、一人一人のニーズに答えていかなければならない」と語っていました。
 障がい者の現状にも触れていました。現在ケアに必要な物資が減っており、劣悪な環境で生活しているようです。高齢者を含め特に障がい者には、、環境に気をつけなければいけない、とおっしゃっていました。

●これからボランティアで東北へ行く人たちへ
 「自分の意見や考えを押し付けないでほしい」鞍本さん。
 「やりたい」という気持ちだけではいけない。被災者に対して全てをしてあげるのではなく、被災者にできることは自身でできるように支援するようにしてほしい、とおっしゃっていました。

FMわぃわぃボランティアスタッフ 村上

障がい者活動家 牧口一二さんをお迎えして

5月5日の「ふれてあれこれ好奇心アイtoアイズ」では障がい者運動家である牧口一二さんをゲストとしてお迎えしました。

●牧口さんについて
 牧口さんは1歳の時にポリオにかかり、足が不自由になりました。障がい者活動家として様々な活動に取り組んでいますが、最近は大阪駅にエレベーターを設置する運動に参加していました。
 障がい者に対する運動を始めたのは30歳の頃。松葉杖を使って移動していましたが、60歳になって電動車椅子を使用し始め、そこからバリアフリーやユニバーサルデザインを意識し始めたそうです。
 「街中で障がい者を見ることが増えたのは良いが、未だに健常者が障がい者を見るときに「かわいそう」と思うことは全く変わっていない」と牧口さんはおっしゃっていました。

●「どの障害が良いですか?」
 より子さんと牧口さんは以前対面した時、「何の障がいがええか?」と話し合ったそうです。例えば視覚障がいでも、見えない分どこか別の力でカバーしている、とより子さんもおっしゃっています。障がいを持つことはええことと思っているからこそできる会話です。「特に健常者には自分が障害になった時のことばかり考えてしまいがちで、障がいを抱えた分仲間が助けてくれる、と考えれば、障害を抱えていてもええんやないか?」と牧口さんは言います。とにかく障がいは素晴らしい!ということを理解してほしいと訴えていました。

●ゆめ風基金
 牧口さんは、自然災害による被災障がい者を支援する ゆめ風基金 の活動でも有名です。設立したきっかけについてお聞きしました。
 きっかけは阪神・淡路大震災。震災の恐ろしさに触れ「緊急事態が起きた時、障がい者も必ず困る。その時に自分はどうしたら良いのか」と考えていたそうです。いざとなった時のために、お金を貯める。そして災害が起きた時にすぐさま支援できるようにと考え、基金を設立しました。
 牧口さんは「民間の団体だから、あえて不平等にできる。公共の機関は被災者全員に平等に配らないといけないだろうが、自分たちは特に助けを必要としている人や助けたい人にたくさん渡すことができる」と言います。阪神・淡路大震災から16年経ち現在3億円が集まっています。今回はその金を全て使って、東日本大震災への援助を行う予定だそうです。
 現在全国6ヶ所に被災地障がい者センターを作り、援助しようとしています。ゆめ風基金は専従スタッフが2人と少なく、今回の震災での活動は特にボランティアに頼っています。多くの健常者の方がボランティアを申し出てくれていて、ただただ嬉しいとおっしゃっていました。

「自然災害が終わらないように、人の営みも終わらない。だからこそ、活動していかなければならない」。「私は不平等でいることに誇りをもっております」。これらの言葉に感動しました。東日本大震災で障がい者支援をどうするか、マスメディアでもよく取り上げられていますね。避難生活でも多くの問題を抱えているように思います。彼らがより安心した生活を送れるように、牧口さん含めゆめ風基金の活動を応援していきたいと思います。

FMわぃわぃボランティアスタッフ 村上