この番組で伝えたいのは、
1)日本で起こった軽視される外国人の人権、その人の身分がどうであろうと、守られるべき人権は確固とあること!
2)それら様々な問題を自分のことに合わせて考え、次々と報道されるいろんなことに流されず、「おかしいことは、おかしい」と声をあげ、そのことが是正されるまで、自分のできることをやり続けること
この二つです。
*********外国人の人権が踏みにじられた事件の内容
2010年3月22日、不法残留のため成田空港から強制送還される途中だった、ガーナ国籍男性ABUBAKAR AWUDU SURAJさん(以下、スラジュさん45歳)が、離陸前の航空機内で意識不明になり、搬送先の病院で死亡しました。男性が暴れたため、取り押さえるために、タオルと手錠が使われたという東京入国管理局側の対応や強制送還の決定に、問題はなかったのか!いろんな人
々の疑問視する声を上げたことで、少しずつその真相が明らかになってきました。
明らかなになってきた、その真相とは、送還に同行していた入国管理局職員が、『規則では認められていない足手錠やタオル、私物の結束バンドなどを使用し、むりやりに拘束して起きた死亡事件』だということなどです。
***東京新聞記事より(2011年4月11日)
3月22日午後、成田発カイロ行きのエジプト航空965便にスラジュさんを乗せようとしたところ、スラジュさんが暴れたため、入管職員が金属手錠とタオルを使って搭乗させようとした。
搭乗後、スラジュさんがぐったりしたのを見つけた航空機乗務員から搭乗を拒否された。
入管職員はスラジュさんを飛行機から降ろし、救命活動をしながら、入管の車で空港内の診療所に搬送したが、スラジュさんは同日午後3時半すぎ、死亡が確認された。
スラジュさんの遺体は司法解剖されたものの、同月25日に出た結果は「死因不明」。成田国際空港警察署は26日に、家族に対して「死因をさらに調べている」と説明した。
スラジュさんは1988年5月に短期滞在(15日間)の資格で来日し、一度在留資格を更新。その後は不法残留であるオーバースティ(超過滞在)状態で、国内で働いていた。
日本人の妻と知り合ったのは翌89年。2人は90年から東京都内で同居を始めた。2人の間に子どもはいない。書類が整わなかったことが理由で、婚姻届も2006年まで出さなかったが、強制送還時までの20年間を事実上の夫婦として生活してきた。
「20年といえば私の人生の大半。彼が死んだのは自分が死んだのも同じだ」と妻はスラジュさんを失ったことに胸を痛める。
それ以上に、いまだに亡くなった時の状況の詳しい説明や、死亡したことへの謝罪がないことを憤る。
「法務省や入管はタオルを使ったことは認めても、どう使ったかは説明してくれない。機内でぐったりしていたのに乗務員が気付いたというが、彼の両脇にいた入管職員は何をしていたのか」
現在強制送還時に暴行があったのではないかとして、国家賠償訴訟も検討中。12日には、千葉市内の千葉県警と千葉地検へ出向いて、厳正な捜査を求めることにしている。
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現在スラジュさんの死の真相をさらに究明するため、2010年8月5日、国と入国管理局職員に対する損害賠償請求訴訟が提起されています。
スラジュさんは大変素敵なイラストを描かれた方で、たくさんのイラストを残されています。
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