1995年1月に発生した阪神・淡路大震災について伝える人と防災未来センターの活動、特に資料室の役割について具体的に紹介した後、
神戸市内で展開する他の伝承活動を見ていく。
災害の経験やその記憶を伝える試みは、日本では長い歴史があり、そこには災害という出来事を伝えるだけでなく、犠牲者を供養し、経験から学んだことを教訓として伝えることによって、将来に災害が発生した場合、犠牲者などの被害をできる限り少なくしたいという願いがある。
日本各地の事例を紹介し、伝承に伴う課題を認識し、日常生活の一部として、すなわち地域文化としての伝承のあり方を考える。
人の記憶は年月が経つに従い、日々の暮らしに追われる中で次第に薄れていく。
さらには、新たに発生した大きな出来事によって記憶が上書きされてしまうと、過去の経験はより深層に沈み込み、細部を思い出すことが難しくなる。記憶のそうした性質に抗うように、災害の記憶を伝えていくことの必要性・重要性がますます声高に叫ばれている。
1995年1月に発生した阪神・淡路大震災について伝える人と防災未来センターの活動、特に資料室の役割について具体的に紹介した後、神戸市内で展開する他の伝承活動を見ていく。災害の経験やその記憶を伝える試みは、日本では長い歴史があり、そこには災害という出来事を伝えるだけでなく、犠牲者を供養し、経験から学んだことを教訓として伝えることによって、将来に災害が発生した場合、犠牲者などの被害をできる限り少なくしたいという願いがある。日本各地の事例を紹介し、伝承に伴う課題を認識し、日常生活の一部として、すなわち地域文化としての伝承のあり方を考える。
災害の記憶を風化させずに持続させる、言い換えれば災害経験を伝え受け継いで行くことで、災害リスクと共存している現実を知り、防災意識を高め、防災・減災に向けた行動に結びつけていくための素地づくりである。