FMYY8月21日のワンコイン番組はどうしても見てもらいたい映画『ひろしま』の上映告知です。
神戸映画サークル協議会 「市民映画劇場」8月例会 『ひろしま』のごあんない
神戸映画サークル協議会は、世界各国の素晴らしい作品を毎月上映する「市民映画劇場」を主催して今年で49年。若い監督のデビュー作、巨匠の力作、ヨーロッパ、アジア、南米そして日本の作品、いろいろな映画に光をあて、これまで600本以上の作品を上映してきました。
さて、「市民映画劇場」8月例会で、『ひろしま』を上映します。
長田新が編纂した文集「原爆の子~広島の少年少女のうったえ」を元に映画化した1953年の作品です。
監督は『きけ、わだつみの声』を撮った関川秀雄。助監督には後に社会派作品を手掛けた熊井啓。音楽担当には『ゴジラ』で知られる伊福部昭があたっています。
出演は松竹の女優で広島出身の月丘夢路はじめ岡田英次、加藤嘉、山田五十鈴などです。
『ひろしま』は第5回ベルリン国際映画祭長編映画賞を受賞するなど、世界的にも評価されましたが、大手の映画会社から上映を拒否され、長く上映の機会がなく「幻の映画」と言われていました。
しかし、ある製作スタッフのお孫さん(2012年FMYYの番組ゲストでおいでになった小林一平さんの息子、開さん)による再上映活動が実を結び、アメリカのメディア会社の資金提供によってデジタル化され、日本だけでなく世界各地で復活上映されています。
終戦から76年。戦後生まれが日本人の大半(84.5%)となり、戦争の記憶も年月とともに薄らいできている今、本作品をたくさんの方にご覧いただきたいと願っています。
*8月例会を担当しているスタッフの声です(機関誌より抜粋)
映画『ひろしま』はまさに広島に原爆が落とされたその日1945年8月6日を中心にその後何が一般の市民に起きたのかを広島の復興も含めて描いた作品です。
この映画では被爆した市民の悲惨な様子が延々と描かれます。被爆者に直に体験を聞く機会などない私たちには作り物とは言え、スクリーンを通しての疑似体験はとてもつらく長い時間でした。そして被爆された方々にとても申し訳ない気持ちが起きました。沖縄のこと、原発や事故後の福島のことに同じ日本の問題でありながら無関心な大勢の日本人と私もどこか似ていると思えたからです。
68年前に作られた映画『ひろしま』で関川監督は戦時下の当たり前の日常と被爆した人々の悲惨な姿を正面から描きました。映画の最後、原爆ドームに向かう2万の市民と生徒たち。そこには製作者や沢山の参加者の「戦争反対の声と罪なき人たちの明日を奪った原爆への怒り」、それを後押しした時代の力があったのではないかと思います。
この映画には始まりはあっても終わりはありません。映画製作に携わった映画関係者や撮影に参加された広島の方々、被爆された日本はじめ多くの国の方々の思いを引き継ぎ、心に留め置くことができたなら志を同じくする世界中の人々と共に終わりのある物語を作ることができるのではないかと映画『ひろしま』を見たひとりとして思うのです。
「市民映画劇場」8月例会『ひろしま』
8月27日(金) ①11:30 ②14:30 ③19:00
8月28日(土) ①11:30 ②14:30 ③18:00
会場―神戸アートビレッジセンター KAVCホール(神戸市兵庫区新開地)
料金― 事前予約:一般1,300円、高校生以下500円
当日:一般1,700円、シニア・障がい者・大学生以下1,300円
予約・問合せ先―神戸映画サークル協議会
電話:078-371-8550
e-mail:kcc1950@kobe-eisa.com