2011/05/12 木曜日 【 番組 】
5月12日の「ふれてあれこれ好奇心アイtoアイズ」。
今回は特別版でお送りしました。ゴールデンウィークに石巻市港小学校へボランティアで行ってきた NPO法人 ウィズアス 代表の鞍本長利さんをゲストとしてお迎えしました。
●現地へ赴く
鞍本さんは宮城県石巻市の港小学校に行き、ボランティアをしました。出発前、現地でボランティアしてきた仲間に聞いたところ、被災地にはぬかるんでいる道が多いため長靴を届けてあげれば、と聞いてたくさんの長靴を持っていったそうです。
車しか移動手段がなく、互いに譲り合いをしながら現地を見てきたそうです。
●被災地の状況
港小学校には石巻市の職員がついているのですが、毎日別の職員に替わっていることが問題だ、とおっしゃっていました。連携を深め、つながりを強めていくためにも考えて配置していかなければならないですね。
現在避難所に登録されている人にしか物資が届かず、車の中で生活している人や、既に自宅に戻り生活している人は食糧が足りない状況になっています。
また食事に関しては「現在震災から2ヶ月と時間が経っていることから、これからは各々の食文化に応じた支援をしていかなければならない」と鞍本さん。食事の支援はどうしても揚げ物やハンバーグなど日持ちがよいものになりがちで、高齢者には満足に食べられない状況になっていたそうです。かつおぶしや刺身など、食文化にあったものをこれから提供してかなければなりませんね。
「これからだんだん日常に近づいていく。だからこそ、一人一人のニーズに答えていかなければならない」と語っていました。
障がい者の現状にも触れていました。現在ケアに必要な物資が減っており、劣悪な環境で生活しているようです。高齢者を含め特に障がい者には、、環境に気をつけなければいけない、とおっしゃっていました。
●これからボランティアで東北へ行く人たちへ
「自分の意見や考えを押し付けないでほしい」鞍本さん。
「やりたい」という気持ちだけではいけない。被災者に対して全てをしてあげるのではなく、被災者にできることは自身でできるように支援するようにしてほしい、とおっしゃっていました。
FMわぃわぃボランティアスタッフ 村上
2011/05/05 木曜日 【 番組 】
5月5日の「ふれてあれこれ好奇心アイtoアイズ」では障がい者運動家である牧口一二さんをゲストとしてお迎えしました。
●牧口さんについて
牧口さんは1歳の時にポリオにかかり、足が不自由になりました。障がい者活動家として様々な活動に取り組んでいますが、最近は大阪駅にエレベーターを設置する運動に参加していました。
障がい者に対する運動を始めたのは30歳の頃。松葉杖を使って移動していましたが、60歳になって電動車椅子を使用し始め、そこからバリアフリーやユニバーサルデザインを意識し始めたそうです。
「街中で障がい者を見ることが増えたのは良いが、未だに健常者が障がい者を見るときに「かわいそう」と思うことは全く変わっていない」と牧口さんはおっしゃっていました。
●「どの障害が良いですか?」
より子さんと牧口さんは以前対面した時、「何の障がいがええか?」と話し合ったそうです。例えば視覚障がいでも、見えない分どこか別の力でカバーしている、とより子さんもおっしゃっています。障がいを持つことはええことと思っているからこそできる会話です。「特に健常者には自分が障害になった時のことばかり考えてしまいがちで、障がいを抱えた分仲間が助けてくれる、と考えれば、障害を抱えていてもええんやないか?」と牧口さんは言います。とにかく障がいは素晴らしい!ということを理解してほしいと訴えていました。
●ゆめ風基金
牧口さんは、自然災害による被災障がい者を支援する ゆめ風基金 の活動でも有名です。設立したきっかけについてお聞きしました。
きっかけは阪神・淡路大震災。震災の恐ろしさに触れ「緊急事態が起きた時、障がい者も必ず困る。その時に自分はどうしたら良いのか」と考えていたそうです。いざとなった時のために、お金を貯める。そして災害が起きた時にすぐさま支援できるようにと考え、基金を設立しました。
牧口さんは「民間の団体だから、あえて不平等にできる。公共の機関は被災者全員に平等に配らないといけないだろうが、自分たちは特に助けを必要としている人や助けたい人にたくさん渡すことができる」と言います。阪神・淡路大震災から16年経ち現在3億円が集まっています。今回はその金を全て使って、東日本大震災への援助を行う予定だそうです。
現在全国6ヶ所に被災地障がい者センターを作り、援助しようとしています。ゆめ風基金は専従スタッフが2人と少なく、今回の震災での活動は特にボランティアに頼っています。多くの健常者の方がボランティアを申し出てくれていて、ただただ嬉しいとおっしゃっていました。
「自然災害が終わらないように、人の営みも終わらない。だからこそ、活動していかなければならない」。「私は不平等でいることに誇りをもっております」。これらの言葉に感動しました。東日本大震災で障がい者支援をどうするか、マスメディアでもよく取り上げられていますね。避難生活でも多くの問題を抱えているように思います。彼らがより安心した生活を送れるように、牧口さん含めゆめ風基金の活動を応援していきたいと思います。
FMわぃわぃボランティアスタッフ 村上
2011/04/28 木曜日 【 番組 】
4月28日の「ふれてあれこれ好奇心アイtoアイズ」。
今日はスウェーデンから来たスタッフが番組を見学し、とても賑やかに放送しました!
●より子のちょっと言わせてもらいます!
東日本大震災について取り上げました。最近情報が少なくなりつつあるのを感じています。避難している人の数も少しずつ増えていっているということも耳にしている中で、生き延びたにも関わらず、避難生活で亡くなることがないように。「天災」が「人災」にならないためにもこれからのケアに力を入れていかなければなりません。そこでボランティアが大事になってくると思いますが、寝袋や食料等、自分の分は必ず確保して避難している人の分を使わないこと。本当にこのことを徹底してほしいと語っていました。
ケアを受けたいという障害者の人も増えていますが、ケアをするヘルパー側も被災者であることを忘れてはなりません。トイレ等の問題もありますが、水分は大事。阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、これからが一番大変な時期だということを認識し、政府も人も迅速に動くことを頭に入れてほしい、とおっしゃっていました。
●でかけてみませんか、情報局
FMわぃわぃ「被災地支援ラジオキャラバン」キャンペーン、「私のラジオを届けてね」を紹介しました。
5月3日(火)4日(水)5日(木)、各日11時から16時まで、長田区・若松公園(鉄人広場)にて開催されます。使わないラジオがある人はできたら電池と一緒に鉄人広場へ持ってきてください!東日本の被災地へお届けします。
同時開催として「被災地支援チャリティー販売」もあります。宮城県の物産やチャリティー屋台が出展される予定です。是非こちらにも来ていただけたらと思います。
●WING KOBE声のトゥモロー
三宮での車椅子の利用状況について取り上げました。特に三宮など繁華街は車を路肩に停めにくく、そのことが原因で車椅子の方が簡単に車に乗せづらくなっています。ぜひそのような専用スペースを作ってほしい、とおっしゃっていました。
●より子のあーぢゃ、こーぢゃ。。
人の思いやりについて取り上げました。展示ブロックを自転車などで妨害したり、譲り合いがなかったり、そういった困っていることを発信することは非常に有意義だとおっしゃっていました。
最近は電車内でお年寄りや障がい者の人に対する座席の譲り合いがない、と嘆いていました。特にバスに関しては坂道やカーブなどが多く、立っていることが辛いことも多いと思います。こういう時にこそ「譲り合い」という精神を見せなきゃいけない、とおっしゃっていました。そのためにも全席優先座席にするのはどうか、と提案していました。
FMわぃわぃボランティアスタッフ 村上
2011/04/21 木曜日 【 番組 】
4月21日の「ふれてあれこれ好奇心アイtoアイズ」では兵庫県神戸市を中心に活躍されている、イラストレーター・絵本作家の「WAKKUN(わっくん)」こと涌嶋克己さんをゲストとしてお迎えしました。
●画家を目指したきっかけ
涌嶋克己さんは子どもの頃からたくさんの絵本や漫画を読み、絵を描くことに興味を持ち続けてきました。大学では漫画研究会に入り、漫画やイラストを描いていたそうです。
画家になることを強く意識したのは、ある日の演習授業でした。学生運動全盛期で、視覚障がい者向けの入試の継続を主張する学生たちが授業に乱入し、ディスカッションをすることに。その時、涌嶋さんは初めて視覚障がい者が努力して自分と同じ大学、そして同じ学部に入学し、勉強していることを知ったそうです。「僕はなんでもやろうと思ったらできるのに、実際に行動することを恐れていた」と湧嶋さん。
「俺も精一杯生きている」と一生懸命努力している人達に言えるようになりたい。そのために大学を中退し、絵の道に進むことを決めました。基本的に独学で絵を学び続けたそうです。
「表現するには、自分のことを理解していなければならない」。30歳の時に世界で通ずる表現者達と会いながら、涌嶋さんは思いました。「軸足がぶれていては何もできない」。そこから自分と向き合い、33歳で今のスタイルを掴みました。
●絵を描く楽しさ
予想外の悲しみや喜びといった諸々の感情や自然など、言葉にできないものを表現できることが楽しい、と涌嶋さんは言います。阪神タイガースが勝った時など、そうやって感情が爆発する時に絵を描くようにしている。その時の感情を思い出しながら描くことで良いものができるそうです。
●ガッツくん
ハートを高く掲げ、走るキャラクター「ガッツくん」の姿は、は16年前の阪神・淡路大震災復興のシンボルとしてご存知の方も多いと思います。
ガッツくんが生まれたきっかけについてお聞きしました。長田に住んでいる涌嶋さんは震災の後、長田高校に避難。1週間経ってやっと絵が描ける状況になり、ふと「何かしたい!」と思ったそうです。そして「元気な絵を描いてほしい」、という依頼が来て、ガッツくんが誕生しました。
ハートを高く掲げる絵。あれには「心だけは潰れないぞ!」というメッセージが込められているそうです。
●絵を描くときに意識していること
「心の奥から出てくる素直な気持ちで描き、そしてうまく描こうとは思わないことが大事」だと湧嶋さんは言います。ワクワクやドキドキを「素直に」出していきたいそう。
涌嶋さんが参考にしているものの中に、小学校の時の卒業文集での友人の一文があります。自分を含め「○○先生、ありがとうございました!」などありきたりな文章を書いている中で、友人は「大嫌いな給食よ、さようなら!」と書いていました。自分が卒業し、給食が無くなって昼食が弁当になるという希望を、素直に書けていることに圧倒され、この文章のように自分も絵を描きたいと思っているそうです。
●今後の夢、希望
最後に今後の夢、希望として、「たくさん絵を描くこと。そして震災の被害が残る中、支えあいながら自分の命を全うしていくこと」とおっしゃっていました。
放送最後の、「支えあいながら自分の命を全うしていきたい」というセリフが心に響きました。被災者のことを思い、支援することも大事ですが、自分自身一生懸命生きることも大切にしていかなければならないですよね。まさに支えあいが大事なのだと再確認させられました。
FMわぃわぃボランティアスタッフ 村上
2011/02/17 木曜日 【 番組 】
2月17日の「ふれてあれこれ好奇心アイtoアイズ」では ラリードライバー の福永修さんをゲストとしてお迎えしました。
福永さんは19歳の時に運転免許を取得。26歳の時にラリードライバーになることを決意しました。きっかけは友人に誘われ、大会で友人の車のメカニックを担当した時。その時ドライバーとしての魅力に惹かれ、ドライバーになることを決意したそうです。2010年の全日本ラリー総合ランキングでは3位に入り、受賞しています。
福永さんが語るラリードライバーの魅力は、「張り詰めた緊張感の中、ライバルとコンマ1秒を争って戦うこと」。緊張感の中、相手のテクニックを認めながらも自分を良い状態へ持っていくのが大変でかつ面白いと語っていました。ラリーでは助手席に座っているコ・ドライバーがペースノートを作成し、ドライバーはコ・ドライバーの指示を聞きながら道イメージし、走っているそうです。なので視覚障がいがあったとしても走ることが可能、とおっしゃっていました。
福永さんはラリーの大会に参加する以外にも、兵庫県のリハビリテーションセンターで開催される、運転免許証をとった障がい者向けに運転スキルをアップするためのセーフティドライビングフェスタに参加したり、モータースポーツをもっと知ってもらうために「障がい者指導者研修会」に参加するなど様々な活動をしています。また、ダンロップなどと契約し、市販用のタイヤなどの制作にも協力しているそうです。
特にモータースポーツに関しては、全盲の方でもラリーという競技に参加できるよう研究が進んでいます。外国、特にヨーロッパでは障がい者でのモータースポーツ参加が増えているそうです。センサー技術等の発達によって、今後全盲の方でも簡単に車を運転できるようになると福永さんは期待しています。
より子さんの「スランプはあるか?」という質問に関しては「スランプはもちろんある。自分の弟子に下克上されるのが一番辛い」と福永さん。自分の理想とするタイムがでないと「辞めたい」とまで思ってしまうそう。しかしその分、良い成績が残せると簡単に言い表せないほど嬉しい、とおっしゃっていました。そんな福永さんの目標はモータースポーツが社会的に認められるために、自身が中心となって今後も社会貢献を進めていくことだそうです。日本選手権などもテレビ中継されないので、ぜひラリーレースに注目してほしい、と強くおっしゃっていました。
今回の放送を聞いて、障がい者/健常者の垣根がないモータースポーツの魅力を初めて知りました。このようなスポーツが発達すれば、オリンピック/パラリンピックと大会を分ける必要もなく新の「世界一」を決めることができそうですね。もっと認知されて欲しいと強く思いました。
FMわぃわぃボランティアスタッフ 村上