「YY音源ライブラリ」カテゴリーアーカイブ

「長田今昔ものがたり」第72話

第72話 仮住まいと復興住宅 2017年11月25日放送

震災でたくさんの家を無くしました。自宅、預かっていた弟の須磨の家、祖父母の時代からお貸していた住宅、それに店舗。幸い近所の妹の家は健在で、家族はそこに居候しました。社員の中で一番の被災者で、会社は園田寮を提供してくれました。自宅は借金し、1年半後に新築できました。店舗付き住宅は4階建てで2年後に完成、この借金は今年完済できました。依頼され、「民間借上賃貸住宅」を2年半後に完成しました。従前の方が10名入る予定でしたが、時間の経過で6名の入居となりました。自分にこんな大きな借金ができるとは思ってもみませんでした。あと15年間、16戸+1店舗のお守りが残ります。


72話 須磨の家 全壊(1995年1月17日)

11月の「南の風~奄美編」 詩人で哲学者の北岡武司さんをお迎えして

「南の風」11月の番組では、ゲストに詩人で哲学者の北岡武司さんをお迎えいたしました。(今回は「南の風」423回目の放送です)

語っていただいた内容は、キリスト教のこと。もっと詳しくいえばカトリックについてです。
奄美とカトリックは深い関係があります。日本全体でキリスト教信者の人口比は1%ですが、奄美群島は4%だと言われています。ともに数字は小さいのですが、読み方を違えると日本全体と比較して4倍の信者が奄美にいるとも言えます。


「詩人で哲学者である北岡武司氏。番組では二篇の自作詩を朗読」

北岡さんは、ある時、心の悩みにさいなまされ、カトリック教会で洗礼をうけました。
番組ではどうして北岡さんはキリスト教に入信したのか、そしてなぜプロテスタントではなく、カトリックなのかと質問します。プロテスタントとカトリックの違いもあえて質問しました。すると北岡さんは哲学者らしく理路整然と答えてくれました。かつ博覧強記のひとらしく、専門のドイツ哲学ばかりではなく、さまざまなジャンルの文献を引用して、縦横無尽に語ってくれ、約1時間の番組はあっという間に過ぎたのです。

番組では詩人でもある北岡さんに、自作詩を2篇用意してもらい、朗読していただきました。

その作品を以下に紹介しましょう。

これらの作品に共通するのは、〈「有る」もの・「有る」こと〉を、積極的に(実体的に)肯定していこうとする実在肯定の強い意思が反映されているということです。〈「有る」こと〉をただ素朴実在論的に詩作品のなかに記述しているのではなく、〈「有る」もの・「有る」こと〉にいたる屈折や、存在が「成る」過程の苦悶を内包した上での〈有る〉への肯定なのです。
もうひとつ見えてくるのは、〈「有る」もの・「有る」こと〉を強く実体的に認めると同時に、キリスト者として、「神へのゆだね」が表現されているということです(例えば「こぼれて」の中の「おまえを支える力は星や月を産み出し/草や木を羊や牛を 成長させる/おまえもそれにささえられる/身をゆだねておればいい」などに良く現れています)。この作品は、まさに北岡さんの信仰と祈りの結実であると言えるでしょう。

FMわぃわぃはカトリックたかとり教会の施設内にあります。こういう環境でカトリックのことを語るのは、まさに場所柄もぴったりな話題とゲストと言い得るでしょう。

11月25日土曜日のワンコイン番組 95年の震災で生まれた曲♪

本日の番組はFacebookでLIVE配信しました。
25日のLIVE配信

参加は、第4土曜日の進行担当田村遊さん、そして突撃出演依頼をしてくださったcrewの宮本健一郎さん、その宮本さんの熱意と「FMわぃわぃ」知ってますよ~~来たことありますよ~~キリスト像も見ましたよ~~とおっしゃってくださった臼井真さん、そして一度はお会いしたかったと自身の番組、この後の「ママトーーク」の太田敦子さん、ミキサーは金千秋でお送りしました。(後日談で臼井さんと太田さんの間には古い古いつながりがあったと判明!!びっくりです)
臼井さんのおいででお分かりのように、もちろん「しあわせ運べるように」にまつわるエトセトラ。神戸生まれ、神戸育ちの神戸愛満載のこの日のスタジオとなりました。

「ふるさと」「自分の見知っているまち」「何気なく日々を過ごす景色」それが破壊されること!その心の衝撃は想像以上のものです。
よくなくなって初めて知る。。。。という言葉は聞きますがまさに「その通り」。あると思ったものがなくなること、それは人との別れだけではなく、「まちの風景」にも同様のことがあるのだと!!ずぅぅぅ~~と胸に響きます。
自然災害だけでなく、まちの再建、再構築だけでなく、もちろん戦争や紛争の破壊はその以前のこと、自然の風景だけでなく、私たちはこのまちをこんなに愛しているんだと再実感しました。

この愛の尊さを知ったからこそ、福島のまちに実害はないにもかかわらず「家を、まちを奪われた人々」高台への移転ということで「なんどもまちの景色を奪われる人々」へのいたたまれないほどの共感の思いが募るのだと胸に落ちたお話が満載です。

歌の持つ力、音楽の持つ力、芸術の持つ力、それを下町芸術祭2017の終わりの日にお届けできたことに感謝です。

「長田今昔ものがたり」第71話

第71話 震災23年目を迎えて(震災シリーズ) 2017年11月18日放送

12月ころから、JR新長田駅前の追悼行事の準備がはじまります。子どもたちに1月17日当日に使ってもらう「ろうそく」を作ってもらいます。今回から10回ほどは、井上さんも含め、阪神淡路大震災の「十分には語られなかったこと」を話します。ワダカンは当時51歳、いま73歳。いまだ復興住宅のローンが88歳まで残っています。物損があったわけですが、家族に死者はなく、会社も赤字部門(我々のカメラ事業)をかかえていましたが、60歳定年まで働けました。震災の3月くらいから、ミニコミ誌発行やFMわぃわぃでボランティア活動に入れてもらったおかげで、「難有り、有り難し」の生活が送れています。


71話 わだかんの寝室(1995年1月17日)

第8回 街ブラ〜人と街とくらしを探る

実りの秋ですね。今回の内容は、長田区の市街地に40年ぶりに田んぼが復活し、稲刈りが行われたという話題です。

長田区長田町にあります長福寺の境内で、原田住職さんが丹精して、お米を育てられました。田んぼには、稲刈りされたうるち米ともち米が、そしてあぜ道には りんどう・なでしこ・すいせんなどが咲いていました。となりの畑には、ピーマン・なす・みょうが・にんじん・じゃがいも・キャベツ・白菜・おくら・きゅうり・かぼちゃも植えられています。通り道から、作物の育つ様子が美しく見えるように、住職さんが心のアートをされています。この田んぼアートは、道行く人々の心の癒しになっています。

一切、農薬や化学肥料は使わず、淡路島から連れてきたカエルやアカハライモリがボウフラを退治し、猫がカラスを追い払い、井戸の水を使って 夏の熱帯夜から田んぼを守り、色んなご苦労をされて お米と野菜は見事に実りました。原田住職さんは、地域のみなさんに古き良き農村風景を楽しんでもらい、子どもたちが農に触れる機会を作りたいと笑顔でお話してくださいました。

是非一度、長福寺さんの田んぼを訪れて下さい。
心が癒されますよ!

次回もどうぞお楽しみに!

「長田今昔ものがたり」第70話

第70話 須磨の近代文化遺産(閑話休題) 2017年11月11日放送

井上さんが須磨で見つけた「これ! こんなトコにあるの?」という100年前後の文化遺産を紹介します。まずは国鉄(JR)の海岸添いの「防波堤」。石積みであって、「そり」があって、「波返し」まで細工されています。またの自慢は「天神橋」。そう、JR線路をまたぐ「跨線橋」です。昭和2年の設計ですが、すでに複々線を見通し、広く作られていたのです。この橋は昭和8年に「市電」も通る橋になります。離宮道を歩いてもらうと、今でもお金持ちのお屋敷の塀が50mほど残り、また、屋根に趣きがあり、小窓もしゃれていて、下の方には御影石がつかってある……。ともかく、散歩でも、いろんな発見ができます。


70話 須磨の近代文化遺産? 現JR須磨-塩屋間「須磨の浦」波返しの石崖、震災にも被害なく100年ほど路線を守っている