今年も〈奄美ふゆ旅〉に行ってきました(1996年から始めて今回で連続23回目)。今回は、同行者が三人。小説家・高木敏克氏、哲学者・北岡武司氏。そして俳人・亘余世夫氏です。みなさん「団塊の世代」。元気の塊のようなひとたちです。
旅も「団塊ツアー」と呼びたくなるような内容でした。ナビゲートするわたしがたじたじとなる場面も。さて、今回の番組は、沖永良部島・徳之島・奄美大島をめぐった旅の報告や感想をもとに構成しました。
徳之島・亀津での語り合い。徳之島の人たちは熱く、かつ繊細な感情の持ち主が多い
語り/01
まず語り始めは、変わりつつある奄美・シマウタと、詩の世界についてです。奄美に毎年通いつめていると、島で会う人がすこしずつ変わっていくものです。その変遷をシマウタと詩の世界に限って語りました。まずシマウタの世界。去年、築地俊造さんがおなくなりになられて、その存在の大きさをあらためて知ることになります。さらに追い討ちをかけるように、坪山豊さんも療養されているとのこと。このお二人のシマウタを聴くことができないなんて、これほど大きなショックはありません。
また詩の世界では、藤井令一さんが去年亡くなったこともいまだ心の整理ができていない状態です。奄美大島には仲川文子さんというすばらしい詩人がいらっしゃるので、まだ安心ですが、隆盛をきわめた奄美の詩の世界も、一時に比べて寂しくなりました。
ただ、シマウタも詩の世界も、いずれ、次世代のウタシャ、表現者が活躍することになるでしょうから、それまですこし待っていましょう(シマウタの世界では、若手・中堅は活躍しています)。