医療通訳

医療通訳を利用したい患者・支援者のみなさまへ

通訳料金

遠隔通訳同行通訳
1,650円2,750円

※税込み。通訳利用時間、受診科数に関わらず、1日1患者の一律料金です。
※下の協定病院の窓口で当日お支払いください。

通訳を利用できる病院

参加医療機関は以下の通りとなっております。(2023年8月1日現在)
詳細は各病院にお問い合わせください

兵庫県立ひょうごこころの医療センター
Hyogo Prefecture – Hyogo Mental Health Center


神戸市立医療センター中央市民病院
Kobe City Medical Center General Hospital


神戸市立医療センター西市民病院
Kobe City Medical Center West Hospital


神戸市立西神戸医療センター
Kobe City Nishi-Kobe Medical Hospital


神戸市立神戸アイセンター病院
Kobe City Eye Hospital


兵庫県立こども病院
Hyogo Prefectural Kobe Children’s Hospital


神戸大学医学部附属病院
Kobe University Hospital


北播磨総合医療センター
Kita-Harima Medical Center


市立加西病院
Kasai City Hospital

医療通訳システム構築事業

外国人患者の声

日本語でうまく症状を説明できるか自信がない。
そもそも以前、言葉が原因で受診を断られたこともある。
そういえばあの時、病院から「通訳を連れてきてください」と言われたっけ。
でも通訳なんてお金もかかるだろうから気軽に頼みにくい。

人物
医師・看護師の声

最近はベトナムやタイなど外国人患者が増えてきたように感じる。
言葉がわからない患者の診察は非常に難しい。また、受け付け、薬局、予約に至るまで、どの過程でも誤解があってはいけない。通訳を伴っての受診が理想だけど、通訳費用をだれが負担するのか、と言った問題もある。

医療通訳は未だ十分に普及していない、しかし欠かせないサービス

言葉や文化、生活習慣が違う国で暮らしている時に病気になってしまったら、どんなに不安なことでしょうか。

医療や健康保険の制度もよくわからないし、うまく使えない外国語で自分の病状を説明し、病気や薬の難しい話を理解しなければならないとしたら…。

言葉のできる知り合いや家族に病院までついて来てもらって通訳してもらえば良い?

たとえ知り合いや家族であっても、気を使ってしまって自分の病気の状況をすべて話すことはしにくいものです。

また、家族の中でその言葉を理解できるのは小中学生の子どもだけということも多々あります。
家族の深刻な状況や難しい病状を説明するには、子どもにとって荷が重すぎます

医療通訳は、医療機関が患者との最も大切なコミュニケーションを考えたときに、当然視野に入れなければならない、日本語の理解が不十分な人たちへのサービスであるはずです。
にもかかわらず、それを患者の自己責任と考えられている場合が多く、地域住民でありながら十分な医療サービスが受けられないことが多いのです。

通訳費、交通費など費用をどうやって確保するか

次に、医療通訳の費用を誰が負担するのかという問題があります。
一般的に(分野を問わず)プロの通訳を依頼すると高額の通訳料金がかかります。
患者が受診の度に通訳を依頼し、払い続けるのは困難です。

通常の翻訳者を患者が雇うにはあまりにも高額であり、(通訳業界ではリーズナブルなFACILでさえ一般通訳では15,000~[2時間まで])これを誰が負担するのかという問題から、我慢をしてしまう患者もいます。

病院や行政と協力して、医療という専門分野に対応したサービスを利用可能なものにするために、必要に応じて医療通訳を派遣し、係る費用を分担する仕組みが必要です。

専属の通訳者を雇用できれば解決する?

ある一定の予算を確保できたとしても、必要とされる言語の問題があります。

集住地域でない限り必要とされる言語は多岐に渡ります。そのため、特定の言語の通訳者を常勤させるという方法では対処できない場合があります。

外国人患者への配慮が医療サービス全体の向上に

image

日本語の理解の不十分な患者とのコミュニケーションを大切にするということは、医療現場で忘れてはならない「患者」と「医者」のコミュニケーションを考えることであり、医療機関に新しい気づきをもたらします。

また、こうした改善は、地域住民に還元され、患者~医療機関、日本人~外国人といった立場を問わずに良い影響を及ぼします。

私たちは、医療通訳を考えることで地域医療の環境がより良くなることを、多くの方に発信していきたいと考えています。

医療通訳普及と実践のための取り組み

この状況を改善するために、FACILでは一年ごとの助成金を得ることで、モデル的に医療通訳者を病院へ派遣するという活動、「兵庫県内の医療通訳システム構築モデル事業」とともに、医療機関や行政機関に向けて、この存在の大切さを理解してもらうためのさまざまな活動を続けています。

FACILの医療通訳事業には、一般財団法人神戸万国医療財団と一般財団法人寺山財団とから、継続的にご寄付をいただいています。

医療通訳システムのモデル図

しくみ図

医療通訳啓発のために制作した映像作品

病院に通訳がいたらいいのにな~神戸のベトナム人中学生編
動画「病院に通訳がいたらいいのにな~神戸の女子中学生編~」
動画のページへ

この動画「病院に通訳がいたらいいのにな~神戸の女子中学生編~」は、2013年に制作されました。

「医療通訳が必要」と声高に叫んでみても多くの人々にはあまりピンと来ないテーマであることは否めません。

言葉を尽くして訴えることも大事ですが、動画で分かりやすく、スピーディに伝える必要性も感じていました。

さらに、出演しているのは当時中学生だった在日ベトナム人の子どもたち。フィクションとして語られているセリフも、彼女たちが家族に付き添って行った病院で実際に経験した事、思ったことなども盛り込まれています。

少しでも一般の方々に関心を持ってもらえたら、との想いで制作した作品です。

なお、この作品は東京ビデオフェスティバル2013で、入賞作品に選ばれました!

賞状の写真

医療通訳関連の各種冊子の企画編集制作や講座の開催

医療通訳に関連するレポート、冊子の制作・配布を通して、医療通訳のシステムが日本で少しでも普及・整備されるよう活動しています。

医療通訳調査報告書-兵庫県での医療通訳派遣モデル事業の取り組みから-2015を製作しました。

2010年、医療機関の方たちに気軽に利用していただけるハンドブック「あなたの病院に『外国人』の患者さんが来ました」をリリースしました。

多言語センターFACILでは言葉のわからない外国人患者が、安心して医療を受けることができるしくみづくりを目指しています。
その実現のために、医療従事者のみなさんに読んでいただけるようハンドブックを制作しました。

外国で病気になった患者さんは不安でいっぱい。 同じように、医師や看護師のみなさんが言葉のわからない患者さんとコミュニケーションをとりながらの診療は、大きな不安を伴います。
このような不安を解消するための医療通訳について実例なども盛り込み、わかりやすく説明したハンドブックです。

2009年度医療通訳研修

「外国人患者接遇セミナー」 ~通訳サービスのある医療機関からの報告~

「一般的に、病院に行って治療を受けるために、なにより大切なのは患者さんと医師・医療従事者がお互いの話すことを正しく理解することです。しかし、外国人など、日本語のよく話せない患者さんが治療をうけるとき、病院はどのように対応すればいいのでしょうか?」という、根源的な問いかけからスタートしたこのセミナー。

症状の把握、治療方針の説明、各種制度の利用、支払など、多様な場面での接遇について医療通訳を率先して導入している病院の医療従事者の方を講師にお招きし、「当院の外国人患者接遇~医療通訳サービスで何が変わったか?」と題しての講演を行ないました。

参考資料

2008年度医療通訳研修

パネルディスカッション 「言葉の通じない患者さまが来たら」 ~兵庫県地域医療と外国人患者を考える~

外国人住民への医療サービスを積極的に展開している公立甲賀病院副院長の井田 健先生の基調講演と、
医療機関・医療通訳関係者によるパネルディスカッション。12月21日(土)午後2時~5時 ひょうご国際プラザ 3階 交流ホールB・Cにて。
5年目の2008年は、引き続き県内3つの病院にてモデル事業を実施しました。

参考資料

2007年度医療通訳者研修

「日本語がよくわからなくても、安心して医療サービスを受けられるようにするためにはどうしたらいいのか」
そのことを通訳者だけでなく、医療に関わるいろんな立場のひとたちと一緒に考えるひとつのきっかけとしたい。これが2007年の研修の趣旨です。
先駆的な医療通訳事業を行っている神奈川県において、医療ソーシャルワーカーとして医療通訳に関わる松野勝民さんをお迎えし、医療通訳を利用すると病院や
医療はどうなるか、現場でどんなことが起きているか、問題点は?など、病院の立場からお話していただきました。その他、通訳者の心得、医療通訳者による体験
談の発表をあわせて行いました。

参考資料